特集 平和へのメッセージ
今年は、戦争終結から70年という節目の年。いろいろなマスメディアが特集を組んでいる中、「広報あつぎ 8月1日号」は広報紙として独自の特集「平和へのメッセージ」を組まれました。ああ、厚木基地があるから…と思われるかもしれませんが、厚木基地、実は厚木市にはありません。大和市、綾瀬市、海老名市の3市にまたがっていて、なぜ「厚木」という名前がついたのかは諸説あるようです。
話を特集「平和へのメッセージ」に戻しましょう。
まず市内在住の方々がそれぞれの体験談を語ってくださっています。時折地元の地名も出て、読者には身近なものとして感じることができることでしょう。「勝っても負けてもつらい思いしか残らない。それが戦争なのです」という言葉が胸に迫ります。
また、戦争経験者と中学・高校生の座談会の模様も紹介されていました。「(もし自分の兄が戦争に行くとしたら)喜んで送り出せないと思います。見送りにすら行けないかもしれません。」という高校生に、「でも、それが最後かもしれないと考えたら『送ってあげないと』と思いますよね」という経験者。〝最後〟という言葉に現実味を感じるのは、私たち戦後世代にとって難しいことなのですが、こうした言葉のやり取りで少しずつ美化されない戦争の現実というものが伝わるのかもしれません。
私は神奈川県横須賀市の出身なのですが、この特集で初めて、本厚木駅が機銃掃射されたこと、小田急線下り電車が奇襲を受け乗客に多数の死傷者が発生したことなどを知りました。また、横須賀をはじめとした都市部の学童が厚木に集団疎開をしたということも。昭和8年生まれで当時小学生だった私の父は「県の内陸の方に集団疎開した」といっていたことを思い出しました。「つらい思い出しかない」と、疎開中の話をしてくれたことがありません。もしかして厚木市だったのかもしれないな…と思いながら、いつのまにか読み応え十分のこの特集を隅々まで読んでいました。
記事は次の通り