防災特集と住民向けのイベント
9月1日の防災の日を前に、各紙とも防災について特集を組まれていますが、「広報千代田」も防災特集です。千代田区といえば、言わずと知れた日本の中心地のひとつ。昼間人口が約82万人なのに対し、夜間人口はわずか約5万人です。こうした状況を踏まえ、紙面には区内の中小事業者に対して災害時に必要となる備蓄物資の購入費用を助成していることや、大規模な商業ビルでの防災訓練などが告知されています。
しかし「広報千代田」からは、約5万人の住民をも大切にし、住民同士の交流を深めるための「きっかけづくり」に奮闘されている様子が伝わってきます。おそらくこうした住民同士への交流を促すということが、巻頭の「防災」にも力を発揮するのだろうということは容易に想像がつきます。というのも防災対策は、なにも「防災」と銘打ったものだけではなく、日ごろからの住民同士の交流といったことも大切であるということは、先の東日本大震災で得た貴重な教訓であるからです。
「広報千代田」には、商業エリアという先入観からすると意外なほど住民向けのイベントが掲載されています。「秋の日帰りバス旅行」は、年配の方が対象でしょうか。外出のきかっけにもなりますし、区内の友達が増えるかもしれませんね。また面白いのは、「いきいき健康マージャン交流祭」の会場がホテルグランドパレスとゴージャスであったり、「子育て・家族支援者養成講座」も講師陣が、大日向雅美先生、汐見稔幸先生といった、教育をかじったことがある人なら涎が出そうな豪華さであったりすること。さすが千代田区といったところでしょうか。ちなみにこの「子育て・家族支援者養成講座」は、全講座を修了し、「子育て・家族支援者」の認定を受けた人は、自宅や支援を希望する家庭などで、一時保育などの有償活動に従事することができ、若い人も助かる、まさに一石二鳥の講座で、住民同士の助け合いを促進しています。
災害が昼間起きるか、夜間に起きるかで状況がずいぶん変わってくる都心部にある区。日ごろから両面を細やかに支えていこうという千代田区の姿勢が、隅々まで伝わってくる紙面でした。