恵みを知って「知恵」を使う…地域ブランドフォーラムin東松島
市報ひがしまつしま 2016年2月15日号に「魅力発見・見つけて!東松島~地域ブランドフォーラムin東松島~」という記事を見つけました。これは、「外からみた東松島のイイトコロをゲストの皆さんにご紹介いただきながら、来場の皆さんとともに地域資源の活用のあり方について語り合う」というもの。そういえば、宮城県で思い浮かぶ所といえば、松島海岸や石巻、南三陸…といったところでしょうか。東松島市は、ちょうどその観光地・松島と石巻の中間。ともすれば素通りされてしまうエリアでもあります。
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、JR仙台駅とJR石巻駅を結ぶ仙石線の列車が津波で流されるなど、東松島市の被害は甚大でした。私が東松島市を訪れたのは、その仙石線が全線開通したばかりの昨年6月のことでした。
目指したのは、仙石線の陸前小野駅のすぐそばにある「空の駅」と書かれた小屋。ここで売られている「おのくん」の購入、もとい里親になるためでした。カラフルなソックスモンキーの「おのくん」は、小野駅前応急仮設住宅の人々が、東松島の復興を願って作った人形(http://socialimagine.wix.com/onokun)。東松島を訪れるきかっけ作りや販売等によって、経済的な恩恵を地域にもたらしてくれるものでもあります。
生きていくために、今ある何かを、最大限に活用できないか。そう知恵を絞ることは、実は私の専門分野である金融教育に通じるものがあります。経済学では『効用最大化』という概念で、個人の経済行動の最終目標として語られることもあります。金融教育の定義は『お金や金融のさまざまな働きを理解し、それを通じて自分の暮らしや社会について深く考え、自分の生き方や価値観を磨きながら、より豊かな生活やよりよい社会づくりに向けて主体的に行動できる態度を養う教育』ですから、個人の経済行動のみならず、「よりよい社会づくり」といった目標を達成するために、公共財についても効用の最大化を考えていきたいという狙いも含まれています。
よく金融教育の話の中で申し上げるのは、今ある何かを、最大限に活用するには『知恵』が必要だということです。知恵は『恵みを知る』と書きます。『恵み』は、ドラッガーでいうところの『強み』です。しかし自分のいいところをだれかに指摘してもらって気づくことが多いように、自ら気づくことは難しいもの。「地域ブランドフォーラムin東松島」では、きっと「外から見た東松島のいいところ」が語られ、東松島の『恵み』が大いに発見されることでしょう。我が家のおのくんも「東松島市民でない人にも、たくさん参加してもらって、恵みを知り、知恵を絞る機会になれ!」と応援しています。