大規模災害の先にあるもの~「復興施設見学バス」で思いを馳せる~
この原稿を書いている最中にも、平成28年熊本地震の余震とみられる地震速報が入ってきます。
熊本、大分をはじめとする九州地方の皆様、被災お見舞い申し上げます。一刻も早く余震が落ち着くこと、救出や救援、復興支援が素早く進むことを祈っております。
今回の地震も「前例がない」といわれていますが、このところ私たちの想定を超える災害が起きています。あの東日本大震災も「想定外」でした。あれから約5年。それでも私たちは、強く立ち上がるのだという希望を与えてくれる、福島県相馬市の事業を、『広報そうま(平成28年4月15日号)』に見つけました。「復興施設見学バス(一日見学)」の記事です。
相馬市では、平成25年度から「復興施設見学バス」を運行しているのだそうです。紙面では5月18日(水)分の募集が行われていました。
バスで巡るのは、防災備蓄倉庫(相馬兵糧蔵)など震災以降に完成した施設や現在建設中の施設。参加費は1人1500円で、なんでも松川浦周辺のお店で、新鮮な魚介類を使った昼食が食べられるのだそう。
復興といっても、災害で失われた街をまるごと再現できるわけではありません。そんな現実に、ともすると打ちひしがれてしまいそうになります。が、これからの街がどうあるべきか、どうあったらいいのかを考え、よりよくしていこうという思いを復興に込めることで、そこに未来への希望を見出すことができるような気がします。バスツアーで巡る施設一覧を見て、私も真新しい施設を前に、そんな相馬の皆様が描いた未来に思いを巡らすことができたらと思いました。
九州地方はまだ余震も収まらず、救援物資も十分でない状態です。復興を考えるどころではないでしょう。被災地にいない私たちには、今、この中でできる支援がないかを自分自身に問うこと、そして行動することが求められています。マイ広報紙も、運営事務局がいち早く「熊本・大分地震に関する自治体情報発信サイト」を特集されていて、その早さに驚かされましたが、まさにインターネットの機動性を活かし、行動したのだと思います。
地震が落ち着いたら、今度は復興に向けての長い道のりが始まります。その時必要になってくるのは、私たちの息の長い支援と、そして相馬市などの復興の前例なのではないでしょうか。特に復興のビジョンは、再び立ち上がるための大きな希望の光になるに違いありません。