「河川愛護モニター募集」
昨年9月の関東・東北豪雨は栃木県、茨城県、福島県をはじめ広範囲の地域に甚大な被害をもたらしました。とくに、茨城県常総市では鬼怒川堤防の決壊により、市の広範囲が水没という状況に陥りました。最近の局地的集中豪雨が数多く発生していることを考えると、普段から地域を流れる川の状況を知っておくことはとても大切なことです。また、川の日常的な状況を管理者と共有することも災害時にはとても重要になります。このような川に関する情報提供の役割を担うのが河川愛護モニターです。一級河川の河川愛護モニター制度(国土交通省)は、全国的にかなり普及してきていて、新年度に入り大きな河川を抱えるいくつかの自治体の広報紙にも、河川愛護モニターの募集記事が掲載されています。
今回は、そのなかから茨城県守谷市「広報もりや」2016年4月10日号「河川愛護モニター募集」を取りあげます。この記事は、平成28年から30年までの任期2年の河川愛護モニターを募集するというものです。活動範囲は、下館河川事務所管轄の利根川または鬼怒川で、日常生活の中で無理なく活動できる範囲ということになっています。広報紙には具体的な報告内容が掲載されていませんが、国土交通省ホームページで確認しますと、河川の利用状況、ごみの不法投棄、河川の水の色や臭い、堤防の状況などとともに、河川にかかわる意見や要望を提出することができるようです。また年1回程度ですが、意見交換会もあるようです。活動範囲から2km以内に居住する活動可能な20歳以上の方なら応募可能となっています。
河川愛護モニターは地域で生活する“市民目線”で気になることを随時、管理者に情報提供するというものです。市民目線の情報は管理者にとっても重要な情報になることは間違いありません。もちろん河川愛護モニター制度だけでは、市民と河川管理者とのコミュニケーションは十分とは言えませんが、少なくとも“地域の個性を活かした川づくり”のきっかけになることが期待できます。これから沖縄を皮切りに梅雨の季節を迎え、今年も局地的集中豪雨に備える時期になりました。河川愛護モニターの記事を読んでいて、昨年の集中豪雨の激しさを思い出しました。