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中学生だけじゃもったいない!「薬物乱用防止講座」の情報を住民と共有

「子供のお金教育を考える会」代表、文部科学省消費者教育アドバイザー、神奈川県消費生活審議会委員、経済教育学会理事
あんびるえつこ

2016.08.08 市報うれしの 平成28年8月号 佐賀県嬉野市

ここのところ有名人が薬物問題で逮捕されたというニュースが、たびたび報じられています。報道によると、インターネットが発達した昨今、薬物もSNSなどをきっかけとして取引されるなど、以前よりずっと身近になっているとのこと。中学生ぐらいからもうLINEなどSNSを使用している今の子どもたちですから、薬物に誘惑するような情報に、いつ接するかわかりません。

佐賀県嬉野市の『市報うれしの 平成28年8月号』には、中学生のうちから薬物の怖さについて知ってもらおうと、嬉野中学校で薬物乱用防止講座が開催されたというニュースが掲載されていました。

私自身、中学生の子どもをもつ母として、どのようなことが話されたのか、とても興味があります。記事には、「危険ドラッグを使用した場合の妄想、幻覚等の恐ろしい症状や使用後の依存症について」の話や、「薬物の誘いを受けた場合、どのように断るかを想定した生徒による実演」がおこなわれたと書かれていました。

生徒たちにとっては、それこそ報道などで断片的に耳にする情報よりも、正確でわかりやすい情報を得る貴重な機会となったことでしょう。また「断る」という実演は、実践的で有意義です。消費者教育でも、よく「断る」ロールプレイングをするのですが、日常の中で遭遇すると「断る」のは難しいものなのですよね。

こうした生活に密着した「学び」は、情報を地域の人と共有することで、地域の人もまた学ぶことができます。それだけではありません。祖父母や地域の人たちが、こんなことを学校で学んでいるのか…と知ることで、子どもたちと話す時のネタにもなるのではないかとも思うのです。子どもたちに「勉強頑張ってるか?」と声をかけるよりも、「薬物のこと勉強したんだって? 断る方法教えてよ」なんて言った方が、会話が広がるに違いありません。共通の話題を見つけるのが難しい年ごろの子どもたちとも、コミュニケーションをとる機会が増えること請け合いです。

ああ、広報紙にはこんな働きもあるのだな、と考えさせられた記事でした。

 

嬉野中学校で薬物乱用防止講座が開催されました

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