政令市の区長
4月は、各地の自治体で職員の人事異動がある時期です。ある一定の役職以上の人事については新聞に記事が掲載されたりします。それだけ、自治体における人事異動は各地域において「一大事」であると言えるでしょう。
今回取り上げる新潟県南区の広報紙には、渡辺稔区長の挨拶が掲載されています。渡辺区長は、これまで南区長を2年間務め、このほど公募された南区長職に応募して選ばれたため、さらに3年間この職にあるということでの挨拶です。
政令市の区長は行政職員が上り詰めるポストで、就任しても2~3年で定年退職となるか、次に別の局長などのポストに移るというのが一般的だと思いますが、今回、このような公募方式が採用されたこともあって、渡辺区長のように5年という期間、その職を務めるということも可能となったのです。
東京都の特別区の区長のように選挙で選ばれているわけではないので、政令市の区長がその地域の「顔」として前面に出るということはそう多くはないのかもしれませんが、市長に代わってイベントで挨拶をする場面などもあることでしょう。新潟市もそうですが、区にも一定の権限を委譲して、独自の施策を行わせるということも行われていますので、その際には区長がいわば地域の経営者として振る舞うことも求められます。
実際に、渡辺区長は挨拶の中で、南区の課題をあげ、4つの重点的な取り組みを行うことを表明しています。
選挙で選ばれた首長か、あるいは実際に地域で何かを行う際に窓口となる課長などに、どうしても注目が集まってしまうという側面もあるとは思いますが、それぞれの区のトップである政令市の区長についても、その動向に関心が集まって欲しいところです。この渡辺区長のような熱い挨拶に接すれば、政令市の区長というポストも本当は大変重要なものであることが実感出来るのではないでしょうか。