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自治体の皆さまへ

1人で悩まずに…子どもの相談窓口を活用しよう!

「子供のお金教育を考える会」代表、文部科学省消費者教育アドバイザー、神奈川県消費生活審議会委員、経済教育学会理事
あんびるえつこ

2017.08.14 広報みなと2017年8月11日号 東京都港区

 東京都港区の『広報みなと2017年8月11日号』の巻頭は、「子ども向け相談サービスがあるよ 相談方法は3つあるよ 気軽に相談してみてね」と、子どもたちに「困ったこと」を呼びかける記事でした。港区では①電話で相談②会って相談③ネットで相談…の3つの相談方法を整えているという、子どもやその周辺のおとなに向けた記事です。

 そこで思い出したのが、何年か前の夏休みのこと、ママ友だちから聞いた話です。

 夏休みに入ってから毎日家に遊びに来て、お昼時間になっても帰らない子がいたので、仕方なく昼食をふるまっていたというのです。ところが、ある日、その子が顔にアザをつくってきて…。「どうしたの?」と問い詰めると、夏休みは給食がないため一日一食のカップラーメンしか食べていないこと。そして、自分だけよその家でお昼を食べていたことが兄にばれて、「おまえだけずるい!」と殴られたこと…を打ち明けてくれたというのです。

 この話を聞いたとき、ああ、そんな思いで、楽しいはずの夏休みを過ごしている子がいるのかと、胸が締め付けられるような思いでした。昔、教師をしていた父が「2学期になって、生徒が無事登校してくるとほっとする」と言っていた意味がわかりました。

 このケースでは、本人が話してくれたことで、彼女をはじめ周りの人が状況に気づき、いろいろな方策を打つことができました。もっと早く言ってくれればいいのに…。おとなはそう思うものです。でもまず自分の状況を「おかしい」と理解すること。そしてそのことを、だれに、どのように話せばいいのか判断すること…。子どもが「話す」までには、いくつものハードルが立ちはだかるのだということは、想像に難くありません。

 ちょっと聞いてほしいことがあったら電話していいんだよ。メールでもいいんだよ…と教えてくれる港区の広報紙の一面は、そうした子どもたちの背中をトンと押してくれるものです。学校の先生との接点がない、夏休みだからこそ必要な情報でもあります。

 この記事は、港区の子どもたちを対象にしたものですが、文部科学省でも「24時間子供SOSダイヤル」を整備しています。いじめやそのほかの子どものSOSを受け付け、夜間・休日を含めて、全国どこでも24時間対応可能になっています。困っている子がいないか…周りのおとなは、子どもたちに目を向け、そして利用を呼び掛けたいものです。

「24時間子供SOSダイヤル」 0120-0-78310(なやみ言おう)

 

子ども向け相談サービスがあるよ 相談方法は3つあるよ 気軽に相談してみてね

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