「地域運営協議会」とは、どういうもの…?
愛媛県久万高原町の広報紙『広報久万高原 2017年10月号』に、「地域運営協議会の検討が始まりました」という記事がありました。この聞きなれない「地域運営協議会」という言葉について、愛媛大学社会共創学部講師・笠松浩樹さんが解説しています。
「地域運営協議会」とは、小学校区や旧村程度の範囲で、住民が地域活動を自主性に基づいて企画・運営していく取り組みにつけられた名称。「小規模多機能自治」や「小さな自治」などともいわれる、地域の課題を自分たちのこととしてとらえ、住民が自発的に行う活動です。
例えば、地域の高齢化が気になったら「独居の方や高齢者の見守り」や「移動に困難を抱える人のための輸送」を。地域の経済的な振興のためには「農産物の加工・販売」や「レストランの経営」を。地域の活性化を考え、「イベントの企画・実施」や「散策コース(フットパス)の設定」を…といったように、全国各地でさまざまな取り組みがおこなわれているといいます。
久万高原町の面河では、「地域運営協議会」の設立に向けて、今年度から住民が検討に入ったとのこと。次号では、その面河での取り組みを紹介するとともに、「地域運営協議会」の設立の進め方について、同広報紙で解説するといいます。
四国の軽井沢といわれている自然あふれる高原の街のこと。その「資源」を活かして、どのような取り組みがおこなわれるのか楽しみ…と思う一方で、さて、私は自らの地域のことをどのくらい理解し、考えているのだろうと振り返る機会にもなりました。実際、行政のサービスの「受け手」としての生活に、慣れ切ってしまっています。
ふと、1961年に行われたジョン・F・ケネディ大統領の就任演説の一節を思い出しました。「国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるかを考えようではありませんか」。これは「人類共通の敵である虐政、貧困、病気、そして戦争そのものとの戦いを貫く覚悟が求められる」として、国民に訴えたものですが、今、時代を超え、未曽有の少子高齢化、過疎化を迎えた、この国において、再び力をもって私たちに語りかけているような気がします。こうした困難に立ち向かっていくのは国の制度ではなく、国と国民がひとつとなって立ち向かっていくことが必要なのだ、と。
齢を重ね、後世によりよい世の中を残したいという思いが日々募っていくこのごろ、我が街についても考えていかなければと、鼓舞された気がします。