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国史跡になった利神城跡と平福御殿屋敷跡…これからが勝負のとき!

「子供のお金教育を考える会」代表、文部科学省消費者教育アドバイザー、神奈川県消費生活審議会委員、経済教育学会理事
あんびるえつこ

2017.12.11 広報さよう 平成29年12月号 兵庫県佐用町

 兵庫県佐用町の広報紙『広報さよう 平成29年12月号』に、同市内の利神城跡と平福御殿屋敷跡が、今年10月に国史跡に指定されたことが報じられていました。

 私は出張で各地を訪れる機会があると、時間の許す限り“お城”をチェックするのですが、この利神城跡は存じ上げませんでした。なんでも、利神城は、南北朝時代から江戸時代にかけて使用されていたもので、播磨国の北西部における軍事と政治の拠点としての役割があったそう。今は跡だけで、その雄姿を見ることはできませんが、標高373メートルの利神山頂上に「高石垣」が残っていて、当時をしのぶことができるといいます。

 この山城に加えて、城主の生活場所であった「平福御殿屋敷跡」も残っており、「利神城跡」とセットでの国指定史跡となりました。
国史跡に指定されるということは、国の重要な歴史資源として、その価値が認められたということ。そうした貴重な資源を保存するとともに、観光資源などとして活かし、活用することも期待できます。

 山城の跡…というと、真っ先に思い浮かぶのは大ブームとなった、兵庫県朝来市の国史跡・竹田城跡です。同紙面では、先輩である朝来市役所の方へのインタビュー記事も掲載されていました。竹田城跡では、あの大ブームで観光客が飛躍的に増えた結果、石垣が緩みはじめてしまったとのこと。観光と保存を両立させることの難しさ、そしてブームに終わらせず、その「価値」にも目を向けてもらうための地道な活動について語られていました。

 “インスタ映え”などという言葉がはやる昨今。観光客は、より美しく、インパクトのある「絵」を求めて、観光地を“消費”していきます。そうしたなかで、歴史的資源の保存と、ブームで終わらない持続可能な活用を促していくには、相当の知恵が必要になる…というのは想像に難くありません。 記事にも書かれていましたが、指定されてからが勝負!というのもよくわかります。

 佐用町では、今後の保存と活用のあり方を探るシンポジウムを開催したり、各事業を住民と行政で検討して決定したり…といった形で進めていくそうです。三人寄れば文殊の知恵といいますが、住民みんなで知恵を出しあって、利神城跡と平福御殿屋敷跡が大いに盛り上がっていくことを期待したいです。

 

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