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市民の代表 市議会議員

東京工業大学環境・社会理工学院研究員/東京大学大学院情報学環客員研究員
本田正美

2017.12.15 広報ひがしおうみ 平成29年12月号 滋賀県東近江市

 自治体で発行されている広報紙には、いわゆる行政にかかわる情報が掲載されています。日本の地方自治において採用されている執行機関と議事機関の二元代表制という仕組みから、執行機関が発行する広報紙では、その情報が主に掲載されているのです。対して、議事機関も「議会だより」を発行するなどして情報発信を行っています。
 もちろん、自治体の広報紙に議会の記事を掲載してはならないという制限があるわけではなく、議会議員の選挙を周知する記事や選挙結果を知らせるための記事が掲載されることもあります。また、議事機関で独自に広報紙を発行せずに、自治体に広報紙の中に議会にお知らせの欄を設けているという事例もあります。
 ただ、やはり執行機関と議事機関の二元代表制ということを意識してか、執行機関が発行するいわゆる自治体広報紙上では、議会に関する記事の掲載は少ないように思われます。

 今回紹介する滋賀県東近江市の広報紙には、新たに選挙で選ばれた市議会議員を紹介する記事が掲載されていました。25人の市議会議員が顔写真入りで、氏名、自己PR、議席番号 住所(12月1日現在の年齢)、所属会派、所属委員会の各情報も付されて紹介されているのです。

 記事冒頭には、「これから4年間、市民の代表として活躍される議員の皆さんを紹介します。」と記されています。市民の代表であるからこそ、自治体の広報紙でも、その紹介を行うということです。
 このような記事の掲載は必ずしも多いとは言えないと思いますが、あらためてこのような記事に接すると、自治体の発行する広報紙においても、きちんと議会の活動や議員について紹介することの重要性や必要性を考えさせられます。

 東近江市の広報紙の記事で特に興味深いのが、市議会議員本人による自己PRです。市木徹議長は、「政策通を目指しています。職人気質な元現場監督。孫遊び大好きじぃじ。」、大橋保治副議長は「活力のあるまちづくりのため即対応・即実行で頑張ります。」といった具合です。その他の23人の議員についても、それぞれ短い文章で個性あふれるPRをされています。

 地方議員といっても、やはり政治家であり、どうしても一般の人から見ると遠い存在になってしまいがちです。そういう中で、自治体広報紙の記事などを通して、より近しい存在として市民との関係構築を行う。東近江市の広報紙はそれを実践する広報紙として他の自治体も見習うべきところがであると言えるでしょう。

 

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