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自治体の皆さまへ

新年の挨拶も色々

東京工業大学環境・社会理工学院研究員/東京大学大学院情報学環客員研究員
本田正美

2018.01.12 広報きょうごく 平成30年1月号 北海道京極町

 自治体の1月号の広報紙には、多くの場合、首長による年頭の挨拶が掲載されています。それぞれの自治体や首長の特徴が表れた挨拶ばかりで、大変興味深いのですが、今回取り上げたいのは、北海道京極町の山崎一雄町長の年頭の挨拶です。

 山崎町長の挨拶は、「新年あけましておめでとうございます」から始まります。ここは、どこの首長の挨拶でも同じなのですが、その後に、まずは昨年の京極町の出来事の振り返りが行われます。基幹産業である農業のことから、林業や商店街に関する話題へ、そして京極小学校の暖房設備や給油設備の更新といった公共工事の実施状況が紹介されます。その後、移住・定住の施策や子育て支援の施策の状況や町の診療所の状況も紹介されます。京極町の2017年の主要な話題がコンパクトにまとめられているようです。
 そして、話題は2019年4月30日で「平成」が終わることに転じていきます。ここから、平成の京極町の出来事が振り返られます。「平成2年にふきだし公園が建設省の「手づくり郷土賞」に選定」という話題から始まり、平成14年(2002年)の北海道電力純揚水式発電所の起工式と平成26年10月の1号機の運転開始、最後は昨年3月の南京極小学校閉校の話題へと続きます。

 最後に、京極町総合戦略に掲げられた課題が掲載されて、挨拶は締められます。

 去年一年間を総括し、平成の時代を振り返り、今後の課題を提示する。この一連の流れが流麗で、新年の区切りの挨拶として、大変分かりやすい構成になっていると思います。山崎町長の年頭の挨拶で、京極町の現状が浮かび上がって来るかのようです。

 特定の話題を紹介するに留まる挨拶もあれば、広く日本全体の行く末を語る挨拶など、色々な新年の挨拶があります。大半の自治体の広報紙1月号には首長の新年の挨拶が掲載されていますので、読み比べてみると新たな気付きが得られると思います。

 

年頭の挨拶

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