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自治体の皆さまへ

子どもも、教える大学生にも必要! 地域を活性化する学びの場

「子供のお金教育を考える会」代表、文部科学省消費者教育アドバイザー、神奈川県消費生活審議会委員、経済教育学会理事
あんびるえつこ

2018.03.05 広報きさらづ 平成30年3月号 千葉県木更津市

 千葉県木更津市の広報紙『広報きさらづ 平成30年3月号』の記事「みんなで持続可能なまちをつくろう!~オーガニックなまちづくり~③」で、市や社会福祉法人と連携して中学生の家庭学習をサポートしている学生ボランティア団体「みなとまちなかFriendship」が紹介されていました。

 「みなとまちなかFriendship」のHPを覗いてみると、大学生が子どもたちと机を囲んで勉強したり、時には何やら催しものをしていたり、楽しげに活動している様子がわかります。年の近い大学生が相手をしてくれるので、子どもたちも心の垣根を払いやすく、和やかに過ごせる“居場所”となっているのかもしれません。

 2017年10月に文部科学省が発表した問題行動調査によると、年間30日以上欠席した小中学生は13万人強で、不登校の割合は2年連続で過去最多を更新しました。不登校のきっかけは、「友人関係」「先生との関係」など人間関係が多いのですが、「学業不振」を挙げる子も約3割(複数回答)。そういえば、教師をしていた父が昔、「学校に来て、わからない勉強を1日じっと座って聞いて帰る。そんな家と学校だけを往復する毎日を送る生徒の心のうちを想像してみると、本当に切なくなる」と言っていたことを思い出しました。

 学習のどこかの過程で躓いたり、居場所がなくて息苦しさを覚えていたり…不登校という行動にでなくても、こうした思いを抱いている子どもたちは、決して少数ではないでしょう。地域の子どもたちが抱えるこのような問題を、我が事としてとらえ、乗り越えるために必要なものは何か考え、そして行動に移したのメンバーの力を、頼もしく思いました。

 第4次産業革命といわれている昨今。経済産業省は必要な「社会人基礎力」として、「前に踏み出す力、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力を挙げています。「みなとまちなかFriendship」の活動は、地域の子どもたちを救うだけでなく、活動している大学生にとっても貴重な「社会人基礎力」の鍛錬の場となるに違いありません。

 「みなとまちなかFriendship」のブログに、「この時期は多分に忙しいですが元気に頑張っていきたいと思います」と書かれていました。そうですよね。大学生は、学校生活にバイトに就活に…と忙しいですよね。でも継続は力。「みなとまちなかFriendship」がずっと引き継がれ、地域に根付いていくことを願っています。

 

みんなで持続可能なまちをつくろう!~オーガニックなまちづくり~③

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