読者の思いや経験を共有できる“読者の声”という記事。
自治体が広報紙を発行する目的は、広報紙に掲載した記事が地域の方々に読まれ、その内容がしっかり伝わるということです。読者に伝えるためには、“読者目線”による編集がとても大切です。そして、この“読者目線”による広報紙編集を実践するためには、“読者の声”に対して真摯に向き合うことが不可欠です。
今回は、全国広報コンクールにおいて何度も表彰を受けている鹿児島県霧島市の「広報きりしま」2018年4月上旬号の“読者の声”を取りあげます。この記事では、「広報きりしま」3月上旬号の特集”MOTTAINAIを取り戻そう”を読んだ読者の思いが紹介されています。たとえば、この記事を読んで“食材への感謝の気持ちを子どもに教えたい”という思いを抱いた読者や“宴会後に破棄される食べ物への罪悪感をもった体験”を思い出した読者の言葉が紹介されています。読者の思いや体験が広報紙に掲載されるということは、それらが多くの方々に共有されるということです。最近は、どの自治体にあっても広報紙に掲載する記事が多くなり、読者の声を紙面で取りあげることが難しい状況にあります。そのなかで、読者の声をしっかり共有しようとする「広報きりしま」は、地域の方から信頼される広報紙になっていると思います。読者の声や市民の声を大切にする姿勢のなかに高い評価を受ける秘訣があるのかもしれません。
最近は、リアルタイムのコミュニケーションが可能なソーシャルメディアを活用する自治体も増えてきています。しかし、広報紙の紙面上でもコミュニケーションは可能です。時間や手間はソーシャルメディアの何倍もかかるかもしれませんが、“読者の声”を読んだ人があらためて広報紙を読みなおして、記事内容を周囲の人に伝え、拡散されるかもしれません。時間や手間をかけたコミュニケ―ションの価値をあらためて考える機会になりました。
☆鹿児島県霧島市の観光情報
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