高齢者が安全に運転を続けるために。
今年の2月、警察庁は「平成29年の交通事故死者数が3,694人(前年比マイナス210人、マイナス5.4%)となり、昭和23年以降の統計で過去最少であった」と発表しました。政府・自治体をはじめ、地域の方々の地道な活動のおかげで重大事故は年々減少する傾向にあります。しかし、重大事故が減少するなかにあって、いま課題として指摘されているのが高齢者の認知機能の低下が原因と思われる事故です。
今回は、交通安全に関連した記事のなかから北海道滝川市の「広報たきかわ」平成30年5月号の“特集 高齢者の運転を考える”を取りあげます。この記事では、高齢者による事故件数や認知機能の低下状況のほか、道路交通法の改正、安全に運転を続けるための工夫やサポートなどが紹介されています。とくに、高齢者が安全に運転を続けるためには何をすればよいのか。ここでは高齢者講習、運転免許取得者教育、補償運転、安全機能付きの車両の選択など様々な対策が丁寧に解説されています。そして、対策の最後の選択肢として「運転免許返納」が示されます。返納は、自身の能力を自覚し、もしもの事態を想像して、車を手放すという選択です。返納を考えるにあたっては、車を手放したあとの生活をどのようなサポートがあるのか、車がない生活について家族と一緒にシミュレーションすることがとても大切になるそうです。
返納はとても難しい判断です。郊外に住んでいたり、高齢者のみの世帯であったりする場合、生活の足がなくなることはなかなか受け入れられません。今後、少子・高齢化がますます進むなかで、一層難しい問題になっていくと思います。警察庁ホームページをみると、高齢者の事故防止対策として有識者会議や研究会、検討会、ワーキングチームの報告など多様な観点からの研究・議論が進められていることがわかります。多様な議論を踏まえた、さまざまなサポートを期待したいと思います。
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