耳の痛い情報もしっかり届ける 特集 「たばこの煙から子どもたちを守る」
先日、学校の先生方を対象とした情報教育の会合に参加してきました。その中で指摘されていたのが、子どもたちが安易にインターネット上の情報を信じてしまうこと、またSNSなどで同じ考えの人とばかり繋がることによって情報に偏りが生じること…など。しかしよく考えてみると、こうした傾向は、なにも子どもたちばかりでなく、おとなにも言えることなのではないでしょうか。私のツイッター上にも、私にとって心地よい情報や同じような意見があふれかえっています。
こうした状況の中で、広報紙は正確な、時には少々耳が痛い情報を、こちらが望む望まないに関わらず届けてくれる貴重な存在といえるかもしれません。今回、山形県三川町の広報紙『広報みかわ 平成30年5月15日号』では、愛煙家の方々には聞くのが辛いような特集「たばこの煙から子どもたちを守る」が組まれていました。
特集では、三川町の子どもの受動喫煙に関する現状を、「同町の同居家族の喫煙率は約5割」といった具体的なデータで説明。続いて、日本禁煙推進医師歯科医師連盟の資料から、今流行の「加熱式たばこ」でも受動喫煙は起こるという事実を報じています。
また、愛煙家の定番である換気扇や空気清浄機近くや、ベランダでの喫煙についても言及しています。結論から言ってしまうと、家庭用の換気扇では十分な換気はできず、空気清浄器も有害な物質を取り除くことはできないとのこと。またベランダで吸っても室内に煙が流れ込んだり、喫煙者が室内に戻ってから吐く息の中にも有害物質が含まれていたりする…といったことも指摘されています。
世間でよく言われる「たばこを吸っても大丈夫な方法」といったものが、本当に有効なのかについて、しっかりと伝えているこの特集。愛煙家にとっては八方を塞がれたようなものですから、なるべく目にしたくない…という心理が働くかもしれません。しかし、こうした情報こそ知っておきたいものでもあります。広報紙で特集する意義は、大いにあるといえるでしょう。
特集の最後には、平成28年4月に禁煙治療の保険適用条件が緩和され、34歳以下にも禁煙治療が拡大されたことに触れ、子どもの健康を守ろうと呼びかけて終わっています。禁煙を勧めたい家族は、さりげなくこの記事を、愛煙家の目につくところに置いておく…という手もあるかもしれませんね。