上田に根ざし上田でかなえる
自治体職員の採用試験が7月や8月に実施されることから、6月号の広報紙には、職員募集の記事を多数見つけることが出来ます。
そのひとつ、長野県上田市の広報の記事を紹介したいと思います。
上田市は、平成31年度採用で一般事務(行政)の20名程度と、その他の専門分野につき若干名の募集を行っています。
広報誌には、試験種別や受験の申し込み方法、試験日程の概要が掲載されています。
これだけであれば、他の自治体の広報紙でも同様の記事を目にすることが出来ますが、上田市の職員募集の記事の冒頭には以下のようなメッセージが掲載されています。
「豊かな自然環境や歴史文化、都市機能が調和した上田市では、これらの地域資源を活(い)かしたまちづくりの可能性が広がっています。そして業務の幅が広い分、皆さんの「学び・強み」を活かせるフィールドが必ずあります。
「上田市をもっと魅力的でにぎやかなまちにしたい!」
「市民の皆さんがより快適で安心して暮らせるまちにしたい!」
という情熱をもった皆さん、私たちと一緒にこれからの上田市を創造していきましょう。」
他の自治体では、受験資格にその市の住民であったり、過去に居住していたことがある者といった制限を明記し、どちらかと言えば内向きな募集を行うところもないわけではないのですが、対して、上田市は受験資格も基本的には年齢の制限のみのようで、広く人材募集を行っていることがうかがえます。
昨今は景気も良いようで、私が関係している先の大学の学生も直ぐに企業の内定を得られる状況にあり、そういう時には公務員人気が落ちるとされます。それでも、採用試験の実施状況を見ると、決して倍率は低くなく、今回取り上げた上田市でも、平成29年度の倍率は一般行政で約6倍、その他の区分でも5倍を超えるような状況です。
優秀な学生は複数の自治体の採用試験に合格することから、自治体間で合格者の奪い合いをするようなこともあると聞きます。
どれだけその自治体のアピールをして、採用試験の受験者を集めるのか。上田市の広報にも見られるように、熱い想いを伝える重要性がこれまで以上に高まっているのかもしれません。