選ばれる自治体へ向けて
ここ最近、何度も取り上げている話題ですが、自治体の広報紙には、採用試験に関する記事が掲載されています。試験の時期が微妙に各自治体で異なるため、断続的に採用試験に関する記事を目にすることになり、つい取り上げたくなります。
今回紹介したいのは埼玉県蓮田市の採用試験の記事です。
蓮田市の採用試験は、その募集期間が平成30年8月1日から17日。試験は9月16日です。一般事務をはじめ、土木技師や保健師、保育士や消防士が募集職種です。
それらは特に他の自治体と大きな違いはなく、強調したいのは記事の内容です。
「市役所で働く」と題する特集を組んで、採用試験の募集要項だけではなく、市役所の業務の紹介や採用にも関係する事項のQ&Aが掲載されています。
注目したいのは、市役所の業務紹介です。その紹介文では、蓮田市の現状と課題がコンパクトにまとめられています。
学生の就職先として公務員は根強い人気がありますが、だからと言って、どの自治体でも簡単に受験者が集まるのかというと、おそらくそうではないはずです。様々な手段を用いて、その自治体について宣伝し、受験者を集める努力をすることも求められるのです。
蓮田市の場合、この採用試験に関する問い合わせ先も「広報広聴課シティセールス担当」になっています。採用試験に際しても、シティセールスの観点から、その情報発信に工夫が凝らされていると言えるでしょう。
自治体間で合格者の奪い合いをしているとも仄聞します。採用試験では、その自治体で働く職員を選抜するわけですが、一方で、自治体の側も自らが受験者から選ばれるということも意識しなければならなくなっているのです。ですから、広報紙での採用試験に関する情報発信にも力が入ることになります。