あらゆる世代の人に…充実した「生涯学習」のメニュー
猛暑だった今年の夏も、ようやく過ぎ去ろうとしています。そして、待ちに待った食欲の、運動の、そして勉学の秋到来! 快適な季節になると不思議と、なにかしたくなるものですね。私も、週末に夫と始められるヨガはないか、探し始めたところでした。
そんな気分にピッタリだったのが、今回、ご紹介する埼玉県越谷市の『生涯学習メニューTRY 秋号』です。これは『広報こしがや季刊版』に折り込んで配布されるものだそうですが、発行は越谷市教育委員会の教育総務部 生涯学習課。1冊まるごと、生涯学習のニュースで埋め尽くされています。
紙面を眺めていて思ったのが、生涯学習のメニューがここ10年くらいで、本当に充実したということ。豊富になったのは、若い人向けのキャリアアップ講座だけではありません。『生涯学習メニューTRY 秋号』にある「こしがや市民大学」のような、年代を問わず、学べる場が多く与えられるようになった気がします。「こしがや市民大学」の募集告知を見ながら、こうした場のありがたさを、しみじみと感じてしまいました。
というのも、先日、85歳になる母から、こんなことを聞いたからです。高齢者が元気に生活するには、「きょうよう」と「きょういく」が必要だ、と。「今日すべき用(事)=きょうよう」があり、「今日行くべき所=きょういく」がある、という意味とのことです。「きょうよう」と「きょういく」という意味でも、こうした学びの場は重要ではないかと思うのです。
「平成29年版高齢社会白書」には、現在住んでいる地域の人と「あまり付き合っていない」と「全く付き合っていない」と答えた60歳以上の高齢者は、女性19.8%、男性25.3%であり、ひとり暮らしの高齢者の4割超が孤立死(孤独死)を身近な問題と感じているとも書かれています。地域で参加する生涯学習は、高齢者の孤立回避にも役立つに違いありません。
文部科学省が平成30年6月に策定した「第3期教育振興基本計画」には、基本的な方針として「生涯学び、活躍できる環境を整える」ことがあげられ、教育政策の目標に「人生100年時代を見据えた生涯学習の推進」も掲げられています。今後、あらゆる世代に対して、学ぶ環境がますます整えられることを大いに期待してしまいます。