「筆談セミナー」の記事で知る、聴覚障害の方とのコミュニケーション法
毎週、各地の広報紙を見ていると、知らなかった世界への扉が、いくつも用意されていることに驚かされます。未知のスポーツや文化、伝統…などが紹介されている記事に触れるにつけ、もう50年以上生きてきているのに、世の中には自分の知らないことが、まだまだあるのだと思い知らされます。
今回、鳥取県の広報紙『とっとり県政だより』にも、そんな“未知の世界”への扉を発見してしまいました。「気軽に筆談セミナー」と題した筆談する際の心得やノウハウを学ぶセミナーの参加者募集記事です。
これまでも金融機関のカウンターなどに、「筆談ボードが用意されています」などと書かれているのを見かけたことがありました。しかし、その「筆談」に心得やノウハウが必要である…などということは、考えたこともありませんでした。そこに文字を書いて、会話すればよいと思っていたのです。
どんな心得やノウハウがあるのだろうと興味をもって、申し込み先の「(特非)全国要約筆記問題研究会」のサイトを覗いてみると、なるほど!と思うことが書かれてました。
話の内容を文字にする場合、話すスピードは書く(入力)スピードより速いため、すべてをきれいに文字にすることができません。そこで、話の内容を要約して筆記するなどの工夫が必要になります。申し込み先の(特非)全国要約筆記問題研究会の「要約筆記」とは、こうした筆記方法を指すのだそうです。聴覚障害の方との会話は手話が有名ですが、「要約筆記」について調べると、人生の途中で耳が聞こえなくなった方、難聴の方のうち手話でコミュニケーションをとりにくい方などに、こうした文字での通訳が必要である…という「要約筆記」の存在意義についても知ることができました。
『とっとり県政だより』に掲載されていた「筆談セミナー」は、こうした「要約筆記」のノウハウを生かしたものなのかもしれません。「筆談」にも、技術が必要というわけです。
今回は「気軽に筆談セミナー」という記事で、聴覚障害の方とコミュニケーションをとる「要約筆記」について知ることができました。いつかどこかで筆談する必要が生じたとき、少し「要約」を意識して、効率的に会話できるように心がけたいと思います。
私にとって“未知の世界”の扉が、またひとつ開いたような気がします。