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葛西海浜公園がラムサール条約湿地に登録された意義。

「自治体広報広聴研究所」代表、公共コミュニケーション学会理事、元自治体職員、東京都在住
金井茂樹

2018.11.13 広報えどがわ平成30年11月1日号 東京都江戸川区

2018年10月に葛西海浜公園がラムサール条約湿地に正式に登録されました。ラムサール条約の正式名称は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といいます。その目的は、国際的な協力によって、湿地の“保全”と“賢明な利用(注)”を進めていくこととされています。生物多様性保全に関する地球規模の条約では先駆的なものです。

今回は、東京都江戸川区にある葛西海浜公園がラムサール条約湿地に登録されたという記事を取りあげます(「広報えどがわ」平成30年11月1日号)。この記事では、葛西海浜公園が条約に定める国際基準を満たしていることが具体的に説明されています。定期的に2万羽以上のスズガモが観測されること、周辺の干潟(「三枚洲」)には毎年多くの渡り鳥が飛来すること、そして準絶滅危惧種のトビハゼを含む多種多様な生物が生息していることなどの紹介があります。東京都内にある公園が、日本有数の野鳥の飛来地であり、海洋生物の宝庫になっているようです。今回登録された葛西海浜公園の隣には葛西臨海公園があります。葛西臨海公園は、日本有数の年間来場者数を誇る公園で、東京2020大会ではカヌー・スラローム競技が行われることになっています。

地球環境保全にかかわる条約には、ラムサール条約をはじめ、京都議定書、ワシントン条約、生物多様性条約など数多くあります。その背景には、長い年月をかけて育まれてきた生物多様性がかつてないスピードで壊されていることがあります。いま生物多様性や環境保全を真剣に考えていくことが求められています。その意味で、日常生活の中にある身近な公園が登録されたことはとても意義深いものだと思います。

※「賢明な利用」とは、湿地の生態系を維持しながら、そこから得られる恵みを持続的に活用すること(環境省ホームページ)。

☆東京都江戸川区の観光情報
江戸川区の観光、イベント、グルメ、お土産などを紹介した「えどがわおでかけガイド」はこちらです。

 

葛西海浜公園 ラムサール条約湿地に登録

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