期間限定で実施 子ども・若者総合相談センターのLINE相談
愛知県名古屋市の広報紙『広報なごや 平成30年12月号』に、子ども・若者とその保護者を対象に、LINEでの相談を受け付けるとの記事が掲載されていました。今回は、12月28日(金)までの午後4時から8時(土曜日のみ午後1時から5時)に実施するとのことです。
この相談センター試みのポイントは、窓口受付が「LINE」であること。先日、ある自治体の消費者相談員の方とお話する機会があったのですが、今の若い人たちは、電話が苦手だということをおっしゃっていました。我が家の大学3年生と高校2年生も、電話での相談は敷居が高い、電話をするくらいなら窓口に出向いた方がまだよいくらいだ、と。そして、メールも文章にするのが面倒なので、LINEが一番気楽だと口をそろえて言います。
平成29年に総務省が発表した「平成28年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、LINEの利用率は10代で79.3%、20代では96.3%。若い人たちにとって、LINEが身近で、使い慣れているツールであるというのも頷けます。LINEで相談できるのであれば、相談へのハードルも下がるに違いありません。
文部科学省も平成30年2月に「SNS等を活用した相談体制の構築事業実施要領」を定め、自治体に対し、補助金の交付を行っています。ただLINEの場合、相談したいことを上手に引き出したり、内容を把握したりするのに、電話とは違うスキルが必要になってくるような気がします。私も子どもたちから来るLINEの文章の終わりの「w」(笑いの意)とか、「かまちょ」(かまってほしいの意)などという独特の表現に戸惑ったり、送られてきたスタンプの示す意味、感情を読み取るに苦労したりすることがあります。
文科省の実施要領には、「SNS等を活用した相談は、電話相談や対面による相談とは異なる相談技法が必要になる。そのため、第三者への委託を行う場合も含めSNS等を活用した相談に関する知識及び経験を有していない相談員を選考する場合は、相談を開始する前に必要な研修を行うなどして十分な相談体制を整えること」とあります。
しかし「研修」といっても、LINEの文化、しかも日々変化していくような若者の文化に対応していくのは、至難の業。期間限定でLINE相談を行い、実地体験の中からいろいろなノウハウを蓄積していくしかないのかもしれません。そして、そうした「LINE相談ノウハウ」は、自治体間で十分に共有されることが望ましいもの。「LINE相談ノウハウ」を蓄積、共有する仕組みも同時に考えていく必要があるでしょう。