岐阜市のええとこ 「お水がおいしい!」
水道の蛇口をひねれば、おいしい水が飲める…。そのありがたさを実感したのは、東日本大震災のときでした。福島第一原発事故による放射性物質の拡散により、我が家からそう遠くない東京都・金町浄水場の水道水が、乳児向けの飲用基準の約2倍に当たる放射性ヨウ素131を検出。近くのスーパーからは、あっという間にミネラルウォーターが姿を消しました。間もなく、当時まだ小学生だった子どもたちを心配して、ニュースを目にした実家から大量のミネラルウォーターが送られてきました。実家にお礼をしたり、その荷ほどきに労を費やしたりしながら、これまでいかに水道水の恩恵を受けてきたか、そのありがたみを実感したものです。
岐阜県岐阜市の 『広報ぎふ 平成31年2月15日号』の記事、「岐阜市のええとこ・ええこと!Vol.6」を目にして、8年前のあの記憶がよみがえりました。そこに書かれていたのは、おいしく、安全な水を維持する岐阜市の取り組みです。
岐阜市内の水道は、その水源をすべて長良川の伏流水を含む地下水に求めているそう。鵜が泳ぐ川です。水質は良好でしょう。なんでも、この水道水源から水を汲み上げて、加熱処理をおこなわず、ろ過処理のみおこなった上で製品化した「清流 長良川の雫」が、環境省の「名水百選 選抜総選挙」(平成27年度)で、「おいしさがすばらしい 名水部門」第5位を獲得したのだとか。
そんな自然の恵みもさることながら、、岐阜市では、おいしい水を各家庭に届けるために、すべての水源地について、常時監視をおこなうなどしているそうです。またそれだけでなく、金華山のなかに大規模な地下空洞式配水池を整備したり、管路に耐震化を施したりといった災害への備えについても書かれていました。どんなときにも安心、安全なおいしい水を手に入れるためには、偉大な自然の力と、それに人間の協力、努力が必要なのだと、改めて考えさせられました。
震災以来、我が家ではミネラルウォーターを購入することが慣習化しましたが、この記事を読んで、当然のことながら、私が暮らす東京都でも、安心、安全なおいしい水道水を届けるために、日夜努力されている方々がいるだろうことに思い至りました。東日本大震災が発生した3月11日が、間もなくやってきます。私も久しぶりに水道水を口にしてみようかなと思ったりしています。