成人年齢が20歳から18歳に…私たちおとなができること
2018年6月に、2022年4月から成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が国会で成立しました。毎年、成人式については多くの広報紙で報じられていますが、どの程度、この“18歳成人”について語られていたのかが気になって、マイ広報紙サイト内に設置された検索で調べてみました。
最初にヒットしたのは、長崎県壱岐市の広報紙『広報いき 2019年2月号 No.179』の記事。「特集 平成31年 壱岐市成人式」 の記事。新成人と市長の対談のなかで、成人年齢を18歳に引き下げることについて質問され、市長と新成人の皆さんが答えています。市長は「権利と義務をしっかり自覚すること」の重要性を指摘。一方、新成人は口をそろえて、学校での教育を望むと発言していました。さらに「まだまだ遊びたい」など、「自分の行動に責任をもつのが難しい人もいる」という、同世代ならではの指摘も。
新成人自身が、学校での教育が必要だと思っているということに、少し安堵しました。実は今、18歳成人を前に、消費者としての判断ができるよう、学校で教育するための教材を作成していたからです。おとなと同じように、成人として扱われる若い人たちもまた、不安なのかもしれません。
こうした状況に、いち早く手を打っているのが、やはり18歳成人について取り上げていた千葉県睦沢町です。『広報むつざわ 平成31年2月号』の「School Life Press 睦沢町教育委員会 Vol.21 シリーズ睦沢教育」では、毎年2月号の紙面に晴れやかな成人式の様子が特集されることに触れ、2022年から「義務教育終了後、わずか3年で成人となる」と説明。子どもたちが、人間力・社会力を備えた自覚と責任のあるおとなになれるよう、園小中学校が切れ目のない一貫した教育をおこなうといった試みを、2020年度から始めるといいます。その教育の中心は、家庭、地域、学校、行政が一体となって子育てをする「チーム睦沢」。そして「教育委員会もしっかりとした方針を打ち出し、ご理解のもとに進めてまいります」と結ばれていて、力強い意思を感じました。
現在の中学2年生は、2022年4月以降に誕生日を迎えた人から成人になります。しっかり教育をして成人させるのは、おとなの責任。子どもたちの不安を取り除けるよう、各地でできることを、これからおとなが考えていく必要があります。