【働く女性の注目記事】母子家庭の子どもの安定した生活を目指して
近年増え続けるひとり親家庭。中でも母親が世帯主である母子家庭は、貧困率が高いことが知られています。長時間の就労が難しかったり、いわゆる手に職がなかったりといった事情で、非正規雇用や比較的低賃金の職業に就くケースが多く、結果的に就労収入が低くなっていると考えられます。
実際、ひとり親家庭の世帯主本人の平均年間就労収入は、父親398万円に対し母親200万円と、ほぼ半分です。さらに、母子家庭の世帯人員当たりの平均所得額は約 112 万円。子どものいる全世帯平均の62%ほどにしかなりません。
これは、進学やレジャーといった、子どもが様々な経験を得る機会の損失とも言えるでしょう。貧困は、子どもの心身の豊かな成長を阻むことにもつながります。
状況を重く見て、厚生労働省ではひとり親家庭就業・自立に向けた総合的な支援を推進しています。これに基づき、各自治体で「自立促進計画」が策定・実施されています。その柱のひとつが就業支援です。例えば、就職に有利な看護師などの国家資格の習得に専念できる「高等職業訓練促進給付金」の制度が、多くの自治体で実施されています。
広報紙『広報ぎふ』2019 年 4 月 1 日号「ひとり親家庭の就業支援」では、岐阜県岐阜市における給付金等の制度が紹介されています。給付金に加え、条件を満たす安定就労で返還免除となる貸付金制度があり、より手厚い制度が実施されています。
母子家庭の子どもに、より健やかな成長を。そのためにも安定した生活を実現できるよう、全国の「自立促進計画」のいっそうの拡充を望みます。
参考:厚生労働省「平成29年国民生活基礎調査」「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」「平成29年度母子家庭の母及び父子家庭の父の自立支援施策の実施状況」