【働く女性の注目記事】「地域に暮らす人々を支援する温かな条例とは」
ここ数年、奨学金返還に関する暗いニュースをよく目にするようになりました。
奨学金は、経済的理由で就学困難な学生が、学費などを賄うために学生本人に貸与されるものです。しかし、卒業後、病気・定職に就けないなどさまざまな理由で返済しきれない人が急増しています。本人が自己破産に追い込まれるケースや、連帯保証人となっている親族に破産が連鎖する奨学金破産が社会問題になっています。
北海道中頓別町の「広報なかとんべつ 2019年5月号」では、平成30年4月から、奨学金の償還支援や障がい者などの就労を促進する条例が制定されたことを伝えています。「条例」と聞くと、何かを規制するような、どちらかというと厳しいマイナスイメージを持っていましたが、
その内容は、地域に暮らす人々を支援し、見守る温かな制度になっています。
例えば、中頓別町奨学金等償還支援条例では、町内在住などの一定の要件はありますが、貸与を受けている奨学金などを年間24万円まで支援してくれるというものです。
ほかの自治体でも、同じような取り組みを実施しているところが増えているようです。若者の地元企業への就職や地方定着に有効な手段と考える事業や、基金を設置し、ふるさと納税を活用する制度など多岐に亘っています。また、奨学金事業に関しては利用者の最も多い日本学生支援機構では、返還支援紹介サイトで36の自治体の奨学金返還支援制度を紹介しています。
これからも、このような取り組みがさらに広がり、プラスの条例が増えることを願っています。