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阿蘇の誇りと実りのブランド「然」の世界を知る

「子供のお金教育を考える会」代表、文部科学省消費者教育アドバイザー、神奈川県消費生活審議会委員、経済教育学会理事
あんびるえつこ

2019.06.10 広報あそ 2019年6月号 熊本県阿蘇市

 熊本県阿蘇市の広報紙『広報あそ 2019年6月号』に、「人の力を信じる 阿蘇の誇りと実りのブランド“然”」という記事を見つけました。

 この“然”とは阿蘇の振興と観光のブランドで、阿蘇の素材を生かしたり阿蘇の人が作ったりしたモノだけでなく、阿蘇が誇れる店や施設などが広く認定されています。そして、一人ひとりのポスターを制作して、広報しているのだといいます。

 今回紙面で紹介されていたのは、三代続く家具屋を引き継ぐ「おしま屋」の古田さんと、おとなの遊び着を販売する「Grand‐Zero」の中村さんです。結婚し、母となった古田さんは、「自分たちの子どもの世代に、元気あふれるまちを受け渡さなければいけない」との思いから、家具カフェという形態や阿蘇野菜のスムージーを生み出しました。また、生まれ故郷の阿蘇に戻って創業した中村さんは、そのセンスと人柄で根強いファンを得ているといいます。

 最近、「ストーリーマーケティング」という言葉を見かけるようになりました。これは製品やサービスそのものの品質や機能だけでなく、企業やモノの背景にあるストーリーへの共感や賛同といった感情に訴えかけることで消費を生み出す手法です。私たち消費者は、大量生産・大量消費の社会に物足りなさを覚え、モノの背後にある人のぬくもりや苦労などに思いを馳せるようになってきたのでしょう。そして、こうした背景のあるモノは購入した人や体験した人に特別な満足感をもたらし、自分との関わりを含めた新たなストーリーとして発信したくなるものでもあります。SNS時代にあって、こうした語ることのできる消費は、また新たな消費につながる…というわけです。

 この“然”ブランドは、こうした消費の連鎖を生む物語性を秘めています。家具があるカフェでスムージーを飲むという一枚の写真から、なぜ家具があるのか、なぜスムージーなのか…と、いろいろなストーリーを語ることができるからです。

 ただ地元のものをアピールするのではなく、地元に埋もれているストーリーを見つけ、それをまたストーリーとして発信していく…。“然”ブランドの背後には、「ストーリーマーケティング」にみられるしたたかな“戦略”があるのかもしれません。さすがは、くまモンのふるさとでもある熊本。上手いなあと感心させられます。

 

人の力を信じる。阿蘇の誇りと実りのブランド 然

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