10月1日から新宿区公契約条例が施行
新宿区では、10月1日から公契約条例が施行されます。その案内が広報誌に掲載されていました。
公契約条例は、行政と民間事業者との間で結ばれる契約について、その適正化を図ることを企図した条例です。なかでも、自治体が発注した事業について、それを受注した事業者に対して雇用する労働者に適切な賃金の支払いを求めることを規定するかどうかが論点となる条例です。
こう書くと少々分かり難いかもしれませんが、新宿区の広報誌の記事には、条例の主な内容として以下の点が示されていました。
・労働報酬下限額の設定(新宿区労働報酬等審議会を設置)
・区と受注者等の責務の明文化
・条例違反の場合の労働者の申し出と、それによる不利益な取り扱いの禁止
最初の労働報酬下限額の設定というのが適切な賃金の支払いに関して定めた事項です。このように公契約に関して報酬の下限額を設定するか否かが、この公契約条例の制定時には議論になるのです。
その他、契約に関わり、新宿区と受注者の責務を明文化することを定めたり、違反があった場合の対応についても定められています。
公契約条例は多くの住民にとって直ぐに直接の影響を受けるようなものではありませんので、あまり関心が払われることもないはずです。また、制定した自治体数もまだ全国で100にも満たないはずですので、まだまだ行政の関係者の中での認知度も低いかもしれません。それでも、新宿区のように制定する自治体も着実に増えてきました。特に東京23区での制定事例が目立ちます。この動きがさらに全国に波及していくのか注目です。