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東松島市の市民満足度調査結果 「子どもたちの教育」に関心

「子供のお金教育を考える会」代表、文部科学省消費者教育アドバイザー、神奈川県消費生活審議会委員、経済教育学会理事
あんびるえつこ

2020.01.27 市報ひがしまつしま 2020年1月15日号 宮城県東松島市

 宮城県東松島市の広報紙『市報ひがしまつしま 2020年1月15日号』に、「令和元年度東松島市市民満足度調査(市民アンケート)の結果」が公表されていました。

 紙面に掲載されていたのは、施策別の満足度・重要度についての上位5分野です。満足度は、満足の度合いを点数化して積算し、評価施策29項目中で順位づけをしたものだそうで、順位が高い施策は、市民が満足していることを示しているといいます。また、重要度は、施策ごとの回答内容を点数化して順位づけたもので、順位が高い施策は市民がより重要視しているということになります。

 満足度、重要度ともに上位5分野に入った施策が、一つだけありました。それは「子どもたちの可能性を伸ばす学校教育の推進<小中学校の施設に関するもの>」です。満足度では第4位、重要度では第2位でした。

 気になって東松島市の児童・生徒数を調べてみると、平成31年4月現在で、市内の小学校の児童数は2000人ちょっと。中学校は、1000人ちょっとです。一方、平成27年の統計で5歳刻みの人口を見てみると、人口の一番のボリュームゾーンは60~64歳で3000人超、続いて65歳~69歳、80歳以上の人口が多くなっています。

 もし市民が、自分自身の生活がよくなることを行政に求めるなら、人口の多くを占める高齢者のための施策が上位にくるはずです。ところが、特に重要度において、「子どもたちの可能性を伸ばす学校教育の推進<小中学校の施設に関するもの>」が上位にくるとは…。自分が決して通うことのない学校を、そして子どもたちの未来を気にかける姿が見て取れるようで、胸が熱くなりました。

 一般的に、市民の声を行政に反映させることはよしとされています。しかし一方で、声の大きな人、利害関係のある人などの「声」が重要視されていないか、そんな疑念を抱くむきも無きにしも非ずです。市民の声を重視した行政をというなら、市民は私的よりも公的な立場から考えることができる、責任と良識のある「市民」であることが必要です。東松島市の「市民」のみなさんの調査結果は、「市民」のあるべき姿を考える、よい機会となりました。

 

令和元年度東松島市市民満足度調査(市民アンケート)の結果を公表します

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