職員配置図が行政活動の透明化につながる
およそ多くの方には関心のわかないテーマだと思いますが、私自身の研究テーマとの関係もあって、役所の職員配置が気になります。
例えば、インタビュー調査のために役所に伺ったりすると、各部屋の入口に職員の席の配置図が貼られていたりするので、ついつい確認してしまうのです。
山形県庄内町の広報しょうない2018年4月5日号には、4月1日時点の庄内町職員配置図が掲載されていました。原田眞樹町長以下、各課の職員と連絡先の一覧が掲載されているのです。
なかには、(新採)や(南三陸町へ派遣)といった表示が付け加えられている職員もおり、この職員配置図は単なる職員一覧ではないことがうかがえます。
日頃、役所に足を運んだとしても、各種手続きを行う程度で、その際に誰が作業をしていたのかといったことは気にならないことだと思います。しかし、例えば、何か地域活動を行うといった場面になると、相手先の職員の方に連絡を取ったり、あるいは別部署の職員の方を紹介してもらったりと、何かと個別の職員の方とやりとりする場面も増えていきます。そんな時には、日頃は見えなかった「職員の顔」が見えてくるようになるのです。
そして、職員の方の顔や名前が分かってくると、今度は役所の動きも見えてくるようになります。「あの職員の方は、あのような事業に関わっていたのか」と。
どうしても普段の生活からは遠いところにあるので、行政活動の実態は不透明になりがちですが、「誰が何かしている」ということが意識されるだけでも、その様相は異なってきます。この庄内町の職員配置図の広報紙への掲載はその契機になるのではないでしょうか。