町をあげた鳥獣害対策
昨年、タケノコ採りや山菜採りで山に入った人がクマに襲われるというニュースを何度も目にしました。これから暖かくなると、動物の活動も活発化します。その注意喚起の記事を自治体の広報紙でも目にしました。
福井県南越前町の広報には、「冬眠明けのクマに注意!」と題して、これから注意すべきことが列挙されています。
最初の注意が、クマの出没状況を確認して、危険な場所には近付かないということでした。その他にも、朝夕は山中に入らない、悪天候の日は特に注意といった事項が並びます。
今までクマやイノシシが出没していなかったような地域でも近年目撃例があったりするので、鳥獣害から無縁だと思っているような地域であっても注意が必要でしょう。
例えば、私が住んでいる横浜市南部から近い葉山町では、これまでなかったイノシシによる農産物への被害が近年問題となり、防除などの対策が進められています(葉山町の場合は少し事情が特別で、神奈川県内の別の山地に生息していたイノシシを人間の勝手な都合で連れて来て、葉山町の山中に放してしまったのが原因だとされています。これは、葉山町で捕らえられたイノシシのDNA検査で確認されているそうです)。
南越前町の広報紙の記事には、昨年度の有害鳥獣捕獲結果も掲載されています。一年間の捕獲数は、723。そのうち、イノシシが362頭、二ホンジカが289頭です。ちなみに、ツキノワグマは1頭とのことで、山に入る際にはクマに注意する必要があるのは当然ですが、実際に人間に害を及ぼしているのは、捕獲数を見ると、イノシシや二ホンジカということになりそうです。イノシシや二ホンジカによる農作物の食害も大きそうです。
記事には、「住民・猟友会・行政が協働して鳥獣害対策を進めて参ります」とあります。動物が活発化するこの時期に、野山がある地域では、クマなどに襲われないよう注意するとともに、その他の鳥獣害対策にも注意を払っていく必要があるということでしょう。