『わたしの終活登録』で、もしもに備える!
何年か前、急激な胸痛に襲われて救急車で運ばれ、大学病院に入院したことがありました。一家の主婦である私がICUに隔離されてしまうと、家族は保険の請求先も、子どもの給食費の引き落とし口座もわからず…。大変な事態に陥ってしまいました。
それを教訓に、退院後、しっかり『エンディングノート』にまとめておくことにしました。しかし何年か経った今、気がついたのです。その『エンディングノート』をどこにしまったのか、すっかり忘れてしまっていることに!
というわけで、今回の注目記事は、神奈川県横須賀市の広報紙『広報よこすか』から、「わたしの終活登録」について書かれた記事です。
『わたしの終活登録』とは、横須賀市が2018年5月から始めた、市民が自分の墓の所在地などを市に事前登録する事業のこと。本人が倒れた場合や亡くなった場合に、せっかく書いておいた『エンディングノート』の保管場所や、お墓の所在地などがわからなくなる事態の対応策として”終活関連情報”を生前登録し、万一のとき、病院・消防・警察・福祉事務所や、本人が指定した人に開示できるようにしたものです。
希望する市民は誰でも登録でき、費用は無料。 登録できるのは①本人の氏名、本籍、住所、生年月日 ②緊急連絡先 ③支援事業所など ④かかりつけ医師やアレルギーなど ⑤リビングウィル(治療などに関する生前の意思表示)の保管場所・預け先 ⑥エンディングノートの保管場所・預け先 ⑦臓器提供意思 ⑧葬儀や遺品整理の生前契約先 ⑨遺言書の保管場所と、その場所を開示する対象者の指定 ⑩墓の所在地といった項目に、⑪本人の自由登録事項を加えた11項目。本人の意思で、追加・削除も含め自由に選択できるといいます。
個人情報の管理が厳しい時代に、本人が認知症や意識障害などになった際、医療機関・消防署・警察署・福祉事務所、そして指定した人に必要な情報を開示してもらえるのは本当に助かります(ただし生前は上記⑨と⑩を除く)。また⑩のお墓の所在地については、本人の死後、納骨・墓参希望の全ての第三者に開示可とのこと。後から亡くなったことを知り、ぜひ、お墓参りに行きたいけれど、ご遺族も存じ上げない…ということ、よくありますよね。そんなときにも、このサービスは役立ちそうです。
この事業を横須賀市のHPでも確認したのですが、驚いたのが、この事業の予算額。平成30年度、なんとたったの17万3千円です! 予算をさほどかけなくても、アイデア次第で住民のサービス向上できる。そんなモデルケースのように感じました。