そうだ! コミュニティソーシャルワーカーに相談してみよう!
東京都豊島区の広報紙『広報としま平成30年12月1日号(特集版)』の巻頭特集は「人と人、人と地域をつなぐ」。同区で活躍するコミュニティソーシャルワーカーが取り上げられていました。
聞きなれない“コミュニティソーシャルワーカー”という職業は、地域住民からの相談などを受け、必要な支援につなげたり、地域のネットワークづくりなどに取り組んだり…といった、まさに「人と人、人と地域をつなぐ」専門職です。少子高齢化やプライバシー意識の高まりなどを背景に、地域のつながりが希薄化したと指摘されている昨今、地域や行政、社会福祉協議会などのさまざまな組織が主導する形で、各地でコミュニティソーシャルワーカーを配置する動きが出てきているようです。
豊島区のコミュニティソーシャルワーカーは、豊島区民社会福祉協議会に所属し、8か所の区民ひろばに常駐。区民が外出の難しい場合には、自宅まで出向いて話を聴くこともあるといいます。
孤立しがちな都会にあって、支援が必要な人を見つけ、必要な支援へとつなげていくのは、コミュニティソーシャルワーカーの重要な仕事。しかし、それだけでなく、地域の課題を解決するための取り組みをおこなう…という役目も担っています。
記事で紹介されていたのは、「きんぎょサロン」という編み物など、手芸を中心に活動をするサークルです。このサークルは、コミュニティソーシャルワーカーが話を聴き、地域の課題や状況を把握。その後、地域の人と一緒に課題解決に向けた取組みを考え、実践し、人と人、人と地域がつながるようにしていったのだといいます。
区役所に行くには、少々はばかられるようなとき、ちょっと区民ひろばに立ち寄って、話を聴いてもらえるという敷居の低さにもかかわらず、知識豊富で頼もしい…というコミュニティソーシャルワーカー。私は、落語にでてくる“ご隠居”を思い出してしまいました。今も昔も、人はひとりで完結して生きていける存在ではなく、こうしたご隠居のような、「つなぎ」役が必要な気がします。いくらインターネットが発達し、いろいろ便利なものが生活のなかに登場してもなお、人としての特性は変わらない、ということなのでしょう。
そんなことを考えながら、紙面の写真を見てみたら、いや、コミュニティソーシャルワーカーの方々は溌溂とした若さにあふれているではないですか! 勝手に“ご隠居”イメージを抱いてしまって申し訳ない。でも“ご隠居”のような存在感で、どのように地域をつなげていくのか、その活躍に大いに期待しています。