子どもがいる人も、いない人も学びたい「そうだったのか 子どもの行動」
わが家の下の娘は、お転婆な子でした。3歳のときのこと。年上の息子と話していて、ふと振り向くと娘の姿がありません。あわてて大声で名前を呼ぶと、「ママ~!」と高いところから声がします。振り返ると、街路樹に登って、得意げに手を降る娘の姿が! ビックリして抱き下ろした記憶があります。
その後、娘によくよく話を聞くと、幼稚園に木登り用の木があり、やっとひとりで高いところまで登れるようになったこと、そして木登り用の木でなくても登れるのかどうか、試してみたくなった…といったことを話してくれました。
子どもは、ときとしておとなの発想を超える行動をします。それが危険なことであったり、人に迷惑をかけることであったりする場合もあります。そんなとき、おとなは子どもの考えに寄り添いながら、成長を助けるような関わり方をしたいもの。なにせ、子どもはおとなのミニチュアではなく、発達途中の脳をもつ、おとなとは別の生き物…なのですから。
東京都港区の広報紙『広報みなと 2019年1月11日号』に「「そうだったのか 子どもの行動」という講演会の告知記事を見つけました。子どもの脳の発達を学び、子どもの行動の意味を理解し、外遊びの大切さを学ぶという講演です。
子どもの声がうるさい…といった言葉をSNSなどで目にするたびに、世のなかの子どもに対する目が厳しくなっているのではないかと感じます。一方、私自身もそうでしたが、親も自分の子どもが初めて接する“赤ちゃん”といったケースも少なくなく、扱い方がわからない…ということもあります。厚生労働省の「人口動態統計」によると、2017年に生まれた子どもの数(出生数)は過去最少を更新。社会のなかで、子どもが少なくなり、子どもというものを経験的に知ることが難しくなっているのですから無理もありません。
こうした社会的背景を考えると、講演会で「そうだったのか 子どもの行動」を学ぶというのは、子どものあるなしに関わらず、必要なことのように思います。実は、私自身、我が子をもつまでは、子どもはうるさくて苦手でした。しかし知れば知るほど、子どもはいとおしい存在となり、今やどこで子どもに出会っても、即座に微笑みかけてしまう世話焼きおばちゃん。子どもを前にストレスを貯めるより、子どもについて学ぶこと。そうすれば、きっと子どもは癒しを与えてくれる存在に変化します。少子化の今だからこそ、多くの人に子どもを知ってほしいと思うのです。