【働く女性の注目記事】「女性だけのお祭り 十七夜講の意味するものとは」
毎年1月17日に雷公神社で行われる十七夜講祭が広報「しりうち」に紹介されています。
雷公神社の祖を葬った地に植えられた樹齢700年の神木「姥杉」の根元に乳房に似たこぶがあることから、古来より授乳や安産の神様として信仰されてきた伝統行事です。神主以外は女性だけが参加できる祭りでは、乳房の形にした「しとぎ」を祭壇に供え、厄除けや家内安全を祈願するそうですが、しとぎを手にした白装束の女性の姿に既視感がありました。思い出したのは、3年前に大ヒットした映画「君の名は」で主人公の少女が口噛み酒を奉納する神事でした。
しとぎ(粢)は「水に浸して柔らかくした生米をついて粉にし、それを水でこねて丸めた食べ物」のことです。一説によれば米粉から作ったしとぎの供えものに自然の発酵菌が付き、微発酵したものが日本酒のルーツとも。また、生米を噛んでは吐き戻すことを繰り返し発酵させて造られたものが原始的な日本酒の起源という説も。しとぎと口噛み酒。いずれもはるか古代から、人々が育くんできた「米」が姿を変えたもので、何か相通じるものを感じてしまいます。
かつては女性たちが夜通しで歌や踊りを楽しみ、家事や子育てからその日だけ解放される意味合いもあったという十七夜講祭。そして、この神事に欠かせない「しとぎ」。そこには女性たちが代々受け継いできた自然への感謝、豊作祈願、そして家族の幸福を願う心がこめられていて、これからもずっと続いてほしい祭りです。
ちなみに、この十七夜講祭は、「おっぱい祭り」とも呼ばれています。