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自治体の皆さまへ

子どもの貧困をなくすために-自治体による学習支援事業が始まっています

「自治体広報広聴研究所」代表、公共コミュニケーション学会理事、元自治体職員、東京都在住
金井茂樹

2016.04.19 広報えどがわ 平成28年4月1日予算特集号 東京都江戸川区

2014年10月にユニセフは、リーマンショック後の経済危機による子どもの貧困への影響を分析した報告書『不況の中の子どもたち』を公表しました。そのなかで、日本ではひとり親家庭の子どもの貧困率が、両親のいる家庭を大きく上回っていることが指摘されました。また、昨年10月に経済協力開発機構(OECD)は、「子どもの貧困率」ランキングを公表しました。日本の子どもの貧困率は平均の13.7%を上回り、加盟34カ国のうち11番目となっているそうです。マイ広報紙に掲載された自治体の予算特集号などを読むと、子どもの貧困対策として子どもの生活・学習支援事業などが開始・拡充されてきているようです。

今回は、そのなかから東京都江戸川区「広報えどがわ」平成28年4月1日予算特集号「未来を担う人づくり」から二つの「学習支援事業」を取りあげます。ひとつは、児童扶養手当などを受給している家庭の中学生を対象にした学習支援で、もうひとつが中学・高校生を対象にした大学生ボランティアらによる学習支援となっています。記事には、簡単な説明しかありませんが、詳細な事業内容を知るために江戸川区公式ホームページを開いたところ、すでにこの学習支援事業の特設ページ《べんきょう応援サイト》が開設されていました。このページには、案内チラシ、説明会日程、申し込み方法、申込書などがわかりやすく掲載され、ホームページに不慣れな方でも必要な情報をすぐに見つけられると思います。ひとり親家庭の子ども達に無料で家庭教師を派遣してくれる事業もあるようです。

ユニセフのホームページには、報告書『不況の中の子どもたち』の日本語解説があり、そこにジェフリー・オマリー政策・戦略局長による「経済状況がよい時も悪い時も子どもを守る、強い社会的セーフティーネットを備えることが必要です」というコメントが掲載されています。教育関連の事業は、短期的に効果がみえるものではないかもしれませんが、この学習支援事業が子どもたちにとって意義のある継続的な事業になってほしいと思います。

 

未来を担う人づくり

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