長期化する「コロナ禍」。叫ばれる人権尊重
新型コロナウイルス感染症が、わたしたちの社会生活に影響し続ける状況が続いています。
感染症対策のための生活様式の変化は大きく、経済活動への影響も甚大ですが、この状況下で、コロナに関連した偏見や差別も大きな社会問題になっています。
感染者やその家族、そして、感染リスクと向き合いながら奮闘する医療・介護関係者やライフライン・物流などの機能を維持する方々など「エッセンシャルワーカー」やその家族までもが、偏見や差別、いじめ、誹謗中傷などの不当な扱いにさらされているのです。
多くの自治体の広報紙で、こうしたいわゆる「コロナ差別」をなくそうと啓発するコンテンツを掲載しています。
その中では、感染リスクは誰にでもあることや、偏見や差別のために症状が出ても受診を控える者が出て、さらなる感染症の拡大を招きかねないことが訴えられ、また、インターネットやSNS、TV等メディアで流布する不確かな情報に惑わされず、不安や恐れには正しい理解や思いやりをもって、冷静に行動することなどが呼びかけられています。
首長の言葉として住民に呼びかけを行っているものもあり、こうしたコンテンツでは、啓発とともに、人権侵害の相談窓口を案内しています。
『広報まつど 2020年8月15日号』掲載の「新型コロナウイルス感染症に関する「差別・偏見やいじめ等のないまち、まつど」を目指して」で、千葉県松戸市は、『新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う人権尊重緊急宣言』を発したことを伝えています。
その中では、闘う相手は人間ではなくウイルスであるとして、「新しい生活様式を守りつつ、一日も早い新型コロナウイルス感染症の終息を願うとともに、新型コロナウイルス感染症に関する「差別・偏見やいじめ等のないまち、まつど」を目指し、市民と市が一丸となって推進していくこと」が宣言されています。
同号では、この宣言とともに、「社会活動を継続するためには、医療・介護関係者やライフライン・物流などの機能を維持する方の力が欠かせません。このようなエッセンシャルワーカーの皆さんへの感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。」と案内しています。
長期化する「コロナ禍」の苦難。しかしこの状況だからといって人権侵害は許されないことであることが、各地で叫ばれています。