【働く女性の注目記事】捨てるなら必要な場所へ送ろう。両者の橋渡しをする「フードバンク活動」
「ご飯粒を残してはいけないよ!」とは、私が子供の頃によく親に言われた言葉です。「農家の人が汗水流して作ったお米なんだから、ありがたく全部食べなさい」と。その躾の効果か、今でもお茶碗には一粒残さず食べる習慣が付いており、また私も母と同じように自分の娘に伝えてきました。
しかし、うっかりやってしまうのは「食品ロス」。いつの間にか賞味期限が切れていて、「もったいない」と後悔しながら捨てることが時々あります。
「食品ロス」はメーカーや小売店ばかりで発生すると思いがちですが、「政府広報オンライン」によると、家庭から出る生ごみのうち2割が未開封の食品なのだとか。しかも、そのうちの4分の1は賞味期限前にもかかわらず捨てられているそう。
まだ食べられる食品が捨てられる一方で、日々食料の調達に苦労している人たちがいます。その両者の橋渡しをする取り組みが、1960年代にアメリカで始まった「フードバンク」という活動です。
日本でもその取り組みは広がっており、その団体のうちのひとつが2013年7月に発足した「フードバンクにいがた」です。日本有数のコメどころである新潟でも「毎日の食事に困っている人たちがたくさんいる」と知った有志数名が中心となり、自宅にあるお米を一合ずつ持ち寄った“米一合キャンペーン”が始まりだそう。現在は企業や家庭で余っている食品を募り、生活困窮者施設などに無償で提供する活動を続けています。
対象となるのは「賞味期限が2カ月程度ある常温保管可能な未開封食品」。一般家庭でも改めてチェックしてみると、いただきもののコーヒーやお茶、買いだめしておいたレトルトカレーにお菓子など、意外とありそうな気がします。
「今、特に必要ないな」という食品があるご家庭は、お近くのフードバンクへ寄贈を考えてみてはいかがでしょうか。賞味期限が切れてから後悔せずに済みそうです。