マイ広報紙に議会広報も登録されました
自治体では、いわゆる行政による広報紙だけではなく、議会による広報紙の発行もなされています。
議会の広報紙には、議会で議決された議案や予算、議員による質問や賛否の状況などが掲載されています。なかには、行政の広報紙の数ページを使って、議会の広報を行うというところもありますが、多くの自治体で、議会として独自の広報紙を作成しています。
議会の広報紙はあまり注目されないものなのかもしれませんが、それぞれの自治体の行く末を決める重要な審議や議決が行われており、その内容の重要性は決して行政が発行する広報紙に劣りません。
今回紹介するのは、議会の広報紙もマイ広報紙に登録された神奈川県相模原市です。
マイ広報紙の運営の方に伺ったところ、議会の広報紙の登録は相模原市が初とのことです。
相模原市の「市議会だより」5月号では、3月に開催された議会において可決・同意された議案について、その紹介がなされています。また、各会派による代表質問と議員の一般質問につき、その概要と回答も掲載されています。さらに、各議案への会派別の賛否の状況も一覧が掲載されています。
一般質問では、各議員から様々なテーマの質問がなされていますが、今回は、五十嵐千代議員による(仮称)市ICT活用推進計画に関する質問を取り上げたいと思います。
五十嵐議員からは、「現在、策定作業が進められているが、同計画と官民データ活用推進基本法との関係性は。また、今後のデータ活用の考えは。」という趣旨の質問がなされたとあります。
この官民データ活用推進基本法は昨年成立した法律ですが、データ活用に関して自治体にも計画を策定することに努めるように求める条文があります。これを受けて、五十嵐議員は既に策定作業が進められている相模原市の(仮称)市ICT活用推進計画と法律の関係を尋ねているのです。
この質問に対して、国の政策動向も踏まえた計画策定を行うとの回答がなされています。結局、この3月に「相模原市ICT活用推進計画」は公表され、その中ではデータの活用についても言及されています。
行政の発行する広報紙には、決まったことの広報はなされますが、それが決まる過程の紹介は稀であると言えるでしょう。一方で、議会の広報紙には、何かが決まる過程の情報が多分に含まれています。
行政の広報紙と議会の広報紙、その両方を読み比べることで、各自治体の現状と行く末の一端を窺い知ることが出来ます。