読み物としても楽しい特集「ふり茶を体験しよう!!」
鹿児島県伊仙町と聞いて、みなさん一体どこにあるのか、お分かりになりますか? 申し訳ないのですが、実は私、存じ上げず…。インターネットで検索してみて、初めて知りました。あの奄美諸島にある徳之島、その徳之島の南端に位置する町ということです。ついでに町のサイトをあれこれ見てみると…。町の花はハイビスカスで、町の木はガジュマル!と、南の島の魅力があふれています。
今回ご紹介するのは、その鹿児島県伊仙町の広報紙『広報いせん』から、「特集 ふり茶を体験しよう!!」の記事です。
伊仙町の場所すらわからなかった私ですから、この「ふり茶」というのも初耳でした。なんでも「ふり茶」は、玄米茶を茶筅で泡立てて入れるというもので、奄美群島でも伊仙町しか残っていない伝統文化財なのだそう。
お茶というと、お道具やら作法やら…なにかと難しそうと思いがちですが、この「ふり茶」は茶器も普通の湯飲みで、お茶も市販の玄米茶。普通のお茶と違うのは、15分かけてじっくり入れた玄米茶を茶桶にうつし、ふり点てて、泡を出すというところ。つくる過程でも、また用意された茶菓子と一緒にお茶を楽しむという中でも、ゆっくり会話ができるのだそうで、「ふり茶は親睦のお茶」なのだとか。ゆったりとした時間の流れの中で、まったりとお話ししながらいただく「ふり茶」。情景が目に浮かぶようです。
そういえば…。ここのところの私は、仕事をしながらの飲むのは、いつもコーヒー。それも全自動のマシンの前で、「まだ入らないのか?」とちょっとイライラしながら待っていて…。なんて余裕のない、そして味も素っ気もない日常を送っているんだ! 明日は、せめて急須を出して、自分でお茶を入れてみよう…などと反省したのでした。
ところで、以前、とある情報紙の編集長にこんなお話を伺ったことがあります。「情報紙の命は情報と思われがちだけれど、そうではない。毎回情報に目を通してもらうためには、きちんとした『読み物』があることが大切なのだ」と。魅力的なイベント情報ももちろんですが、文化的な面からじっくり取り上げた「特集 ふり茶を体験しよう‼」のような読み物には、情報を生き生きと引き立たせる効果があります。現に、伊仙町の場所さえ知らなかった私も、「ふり茶」という文化を知ったことで、今や伊仙町でゆっくりと「ふり茶」体験したくて仕方なくなっているのですから! これからも伊仙町の広報紙は要チェックになりそうです。