地域で共有したい…先生の働き方を見直す取組み
兵庫県宍粟市の広報紙『広報しそう 2017年10月号(151号)』に、「勤務負担を軽減し、子どもと向き合う時間を確保するために 先生の働き方を見直す取組を進めます」という記事が掲載されていました。
ここのところ、先生の激務が報じられることが多くなりました。私の父は公立中学校の教師でしたが、柔道部の顧問をしていたこともあり、休日も家にいることは稀でした。数十年を経てもなお、部活は先生の仕事です。加えて、今後、新しい指導要領が導入されるにあたり、教材研究の時間も今まで以上に必要になることが予想されます。
こうした事態を受け、国や都道府県でも、教職員の勤務時間の適正化への取り組みがなされているところです。今回、『広報しそう 2017年10月号(151号)』が報じているのは、国や県の取組を踏まえて、宍粟市が取り組む3つの重点項目についてです。
その中のひとつに、 『定時退勤日』週1日以上の実施という項目がありました。教職員の勤務時間はおおむね8時~16時30分です。しかし、実際には夜遅くまで学校の電気が消えることはありません。そこで、宍粟市では、週に1度は定時で退勤する『定時退勤日』の実施を推奨していこう、というものです。
こうしたことを「学校だより」ではなく、広報紙で広く知らしめることは、意義があります。学校は、教職員と児童・生徒、その保護者とでのみ成り立っているものではありません。例えば、放課後の体育館等の施設の地域への解放や災害時の対応など、地域との連携する場面も多く見受けられるからです。学校に問い合わせて「本日、担当者は『定時退勤日』です」と返答されたとき、地域の住民も事情を十分に理解できるようでなければ、クレームにつながりかねません。
息子が通っていた私立の中高等学校では土曜日も学校があっため、週に1回、平日に先生がいない日がありました。たとえ担任をもっていても…です。元気な男子校のこと。担任がいない日があることに最初は不安でしたが、情報がきちんと共有できていれば特に問題ないものだと、しばらくすると思うようになりました。宍粟市の場合は、16時30分までの定時で帰ろうというだけのこと。児童・生徒にも、保護者にも、そして地域にも、こうして事情を広報してもらえれば、きっと理解していただけることでしょう。
問題は、まじめな先生かもしれません。せっかくの『定時退勤日』に仕事を持ち帰るこのないよう…願っています。