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知っておこうアイヌ文化 シリカプ

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北海道白老町

イランカラプテ。太平洋を望む町内の砂浜でも、美しいハマナスの花を見かける季節となりました。白老地方のアイヌ民族による伝承の中には、この時期ならではの大型魚、メカジキにまつわる話が残っています。
メカジキはアイヌ語でシリカプと呼ばれ、昔はシリカプキキリ(シロスジコガネ)という虫が飛び始めるとシリカプ漁の準備をしたと言います。暖流に乗って回遊するシリカプは、クジラやイルカ、マンボウなどと共に白老だけでなく、胆振地方の太平洋沿岸で盛んに漁が行われ、イタオマチプと呼ばれる板綴り舟に朝の3時頃、2、3人で沖へ乗り出し、レパオプやキテと呼ばれる投げ銛で、大きいものでは体長4メートル以上、重さ300キロを超え、性格は獰猛なシリカプを釣り上げるのですから、命がけの漁であったことが想像できます。昼頃には漁から戻り、獲れたシリカプをコタン(村)の全員で分け合い、それぞれの家に届けるのは子どもたちの仕事だったと言います。
白老では、昭和初期頃までシリカプの伝統漁が行われ、それと共に豊漁に感謝し、再来を願うシリカプの送り儀礼や調理法も伝えられてきました。脂分の多いシリカプは、長期保存には向いていないため、シリカプオハウ(メカジキの汁物)やチタタプ(たたき)、串焼きにして食べたと言います。
政策推進課 アイヌ政策推進室 学芸員 森 洋輔

問合せ:イオル事務所チキサニ
【電話】82-6301

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