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あけてみよう!歴史のとびら 163

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福岡県大野城市

かつて、大野の町にアメリカがあった

■フェンスの向こうのアメリカ 〜板付基地「春日原住宅地区」〜
板付基地春日原住宅地区とは、戦後米軍が旧日本陸軍の席田飛行場とその周辺施設を接収して設置した板付基地の付属施設の一つです。春日村(現在の春日市)の軍需工場や大野村(現在の大野城市)の田畑などを宿舎用地として買収し、整備しました。住宅地区の面積は約156万4700平方メートルあり、その広さは大濠公園の約4倍にもおよびます。
春日原住宅地区は、地元では「白木原ベース」や「春日原ベース」と呼ばれていました。当時の住宅地区内には住宅以外にもBXやカミサリーといった食料品や日用品の販売施設、教会や学校、映画館やボーリング場などの娯楽施設もあり、住宅地区はアメリカの一つの町のようでした。
しかしベトナム戦争が進むにつれ、米軍は沖縄への基地集約を進め、昭和47年に板付基地や周辺施設は日本に返還されました。板付飛行場は福岡空港となり、春日原住宅地区は、航空自衛隊春日基地や九州大学筑紫キャンパス、春日公園、大利中学校、大利小学校などに生まれ変わりました。
返還から50年が経ち、町の様子は激変しましたが、春日原住宅地区を取り囲んでいた鉄条網や、電気を引くための電柱、水道の標石などが残り続けている場所もあります。
大野の町にアメリカがあったという面影は消えつつありますが、身近なところに隠れているかもしれません。ぜひ探してみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先:心のふるさと館文化財担当
【電話】558-2206

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