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太宰府の文華~公文書館だより(125)~

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福岡県太宰府市

■公文書館のはなし

太宰府市公文書館が開館10周年を迎えました。といっても「公文書館?どこにあったっけ?」と首をかしげる人もいるでしょう。一般に図書館や博物館ほどおなじみの施設ではありませんが、公文書館はアーカイブズともいい、公文書館法には、歴史資料として重要な公文書や地域資料を保存し、閲覧に供するとともに、これに関連する調査研究を行うことを目的とすると定義されています。
アーカイブズの起源は、紀元前7世紀頃のアッシリア帝国の王立図書館とされています。ただ18世紀以前のアーカイブズは、国家や宗教団体、家などのコレクション的な性格が強く、公に開かれた施設ではありませんでした。そうしたなか1808年、フランス革命後に設置されたフランス国立中央文書館(もんじょかん)は、公文書を国民の共有財産として保存し、閲覧公開していくという理念と仕組みを有する、世界初の近代的な公文書館といわれます。その後、世界各国で同様の公文書館が開館しました。
国内では、1959年開館の山口県文書館(もんじょかん)が最も古く、国立公文書館は1971年に開館しました。以降各地に少しずつ増えていきますが、2000年代に入り、公文書の誤廃棄やずさんな管理などの問題が噴出し、2009年に「公文書等の管理に関する法律」が公布されると、その後15年の間に40を超える公文書館が開館しました。専門職であるアーキビストの認証制度も始まり、世間の認知度も徐々に高まっている状況です。現在、全国に公文書館の役割を持つ施設が、都道府県に45、政令市に11、市区町村に36設置されています。本市のように、公文書館を持つ市区町村は全国で2%にすぎませんが、地域の特色や歴史を活かした文書の保存や活用、きめ細かいレファレンス対応など、地域に根差した市区町村立公文書館ならではの強みもあります。
地域資料はもちろん、市政の記録である公文書は、フランスの例をあげるまでもなく、市民の貴重な共有財産です。それを守り、次の世代へつなげる努力を、太宰府市公文書館は続けています。

太宰府市公文書館
荻野 寛美(おぎの ひろみ)
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