■所得税・住民税の主な改正内容
●確定申告書のA様式とB様式の統合
令和3年分までの確定申告においては、確定申告書A様式があり、確定申告書B様式の簡易版のような様式でしたが、令和4年分の確定申告から、確定申告書A様式が廃止となり、確定申告書B様式と統合され、ひとつの様式になりました。
●修正申告をする場合の提出書類の変更
従来までは、修正申告をする場合には、第1表と第5表(別表)の提出が必要でしたが、第1表に「修正申告」欄が設けられたことにより、第5表が廃止されましたので、提出書類は第1表のみとなります。
●住宅ローン控除の適用期限の延長等
住宅ローン控除の制度の適用期限が4年延長され、令和7年12月31日までとされるとともに、次の(1)から(3)の改正が行われました。
(1)住宅の取得等をして令和4年から令和7年までの間に居住の用に供した場合の控除率及び控除期間は表の通りです。
▽認定住宅等以外の住宅の場合
▽認定住宅等の場合
(2)対象者の所得要件が3,000万円以下から2,000万円以下へ引き下げられました。
(3)合計所得金額が1,000万円以下の年に限り、床面積40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅の用に供する家屋で、令和5年12月31日以前に建築確認を受けたものの新築または建築後使用されたことのないものの取得についても、この住宅ローン控除の適用が可能になりました。
●短期退職手当等の課税方法の見直し
令和4年1月1日以降に受け取る退職金のうち、勤続年数5年以下の一般の従業員が受ける退職金「短期退職手当等」について、課税の対象となる退職所得の金額を求める際、退職所得控除額を控除した残額が300万円を超える部分の金額は「2分の1課税」とする措置を適用しないこととなりました。したがって、退職所得は次のように計算します
▽支払金額から退職所得控除を差し引いた残額が300万円以下の場合
退職所得金額=(支払金額-退職所得控除額)×2分の1
▽支払金額から退職所得控除を差し引いた残額が300万円以上の場合
退職所得金額=150万円+{支払金額-(300万円+退職所得控除額)}
●副業などの収入にかかる雑所得(業務)についての改正
副業の収入などで、営利を目的として継続的なものを雑所得(業務)としますが、前々年分の業務の収入金額が300万円越えの方は、受領した請求書や領収書等を翌年3月16日から5年間、住所地等に保存しなければならないこととされました。さらに、前々年分の業務の収入金額が1000万円越えの方は、業務の収支内訳書を作成し、確定申告書へ添付しなければならないこととされました。
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