イベント 第15回日本ジオパーク 全国大会十勝岳大会開催

9月27~28日の2日間、上富良野町と美瑛町を会場に「第15回日本ジオパーク全国大会十勝岳大会」が開催されました。「地球に学び、未来を育む」をテーマに、全国各地からジオパークに関わる研究者や自治体職員、ガイドなど約700人が集まり、十勝岳ジオパークの魅力を満喫し、熱心な意見交換が行われました。
大会では、東中小学校の児童が開会式で清流太鼓を披露したほか、上富良野小学校の児童が学習の成果を口頭発表で紹介しました。さらに、上富良野高校の生徒は口頭発表、ポスター発表、ユースセッションの参加に加え、ボランティアスタッフとして活躍するなど、子どもたちがさまざまな場面で活躍しました。

(主催:第15回日本ジオパーク全国大会十勝岳大会実行委員会/一般財団法人自治総合センター)

◆開会式
オープニングアトラクションとして東中小学校の児童が清流太鼓を披露!主催者あいさつのほか、新たに認定された日本ジオパークの認定式、日本ジオパークネットワークの表彰が行われました。

◆基調講演
理論物理学者の佐治晴夫先生が「宇宙創生から未来へ ~これからの地球と私たち~」をテーマに、壮大な宇宙の視点から地球の未来について講演しました。
大会参加者に限らず一般の方も無料で聴講することができ、900近く用意した席はほぼ満席となり、参加者は熱心に聞き入っていました。

◆分科会
9つの分科会に分かれ、ジオパークのさまざまなテーマについてより深く学びました。
分科会1「複数自治体で構成されるジオパークの課題検討」では、複数の市町村でジオパークを運営する難しさや、その解決策について話し合われ、分科会2「目指せ1ジオパーク1ユニバーサルデザインコース」では、高齢者や障がいのある方など、誰もが楽しめるジオパークのコースについて考えました。

◆丘と彩りのふれあいマルシェ
日本全国のジオパーク地域の特産品やお土産品の販売、飲食ブース、キッチンカー、体験コーナーなどが出店・出展されました。

◆市町村長・ユースセッション
市町村長セッションでは、各ジオパーク構成団体の首長がインフラ・ジオツアーの一部をバスで巡り、ユースセッションでは、ユース(若者)世代があたえられたミッションをもとに十勝岳ジオパークエリアのジオサイトを見学しました。その後見てきたものや感じたことを参加者で共有しました。

◆ポスター発表
101枚のポスターが展示され、コアタイムでは、解説者が各ポスターにつき、それぞれの活動・特色などを発表しました。
会場では「夏休み自由研究作品展」もあわせて開催され、全国大会開催特別企画として本年度募集した上富良野・美瑛の児童のジオパーク関連テーマの自由研究作品が展示されました。

◆口頭発表
各地域の小中高生や研究者のほか、上富良野の小学生・高校生がそれぞれのジオパークでの取組みや研究成果などを発表しました。

◆パネルディスカッション
各分科会の担当者がパネリストとして参加し、分科会での議論の内容を報告し、大会全体の議論を深めました。

◆閉会式
主催地あいさつのほか、次年度開催地の桜島・錦江湾ジオパークのあいさつが行われ、斉藤町長の閉会のあいさつで幕を下ろしました。

◆ジオツアー
大会前後、洞爺湖有珠山や三笠など道内の各ジオパーク地域を巡るプレツアーと主に十勝岳ジオパークを巡るポストツアーを開催しました。
上富良野や美瑛の火山地形や自然を巡るツアーでは、ジオガイドの解説を聞きながら、太古の昔から続く大地の営みや、そこで育まれた動植物、人々の暮らしについて学びました。普段何気なく見ている風景の中に、地球の歴史が刻まれていることを実感できる、貴重な体験となりました。

◆火山実験ワークショップ
大会前日(26日)は町内の小学生、上富良野高校、美瑛高校の児童・生徒を対象に火山噴火を再現した実験などが、日本火山学会・全国火山実験研究交流会実行委員会協力のもと行われました。

◆今年はジオパーク再認定審査が行われる年です!
日本ジオパークに認定された地域では、4年に一度「再認定審査」を受けることとなっています。
今年は、その審査が行われる年で、11月4日~6日に審査員が来町し、地質遺産の保全、活用の仕組みと取組み、前回審査時からの活動の進展などについて現地調査が行われました。
なお、再認定審査の結果は令和8年3月頃お知らせいたします。

◆大会を終えて
全国大会を通じて、十勝岳ジオパークの魅力と価値を再認識するとともに、地域間の交流も深まりました。大会の成功は、町民の皆さまのご理解とご協力なしにはあり得ませんでした。この場を借りて、心より感謝申し上げます。今回の経験を活かし、十勝岳ジオパークはこれからも「地球に学び、未来を育む」活動を推進していきます。地域資源を大切にしながら、持続可能な地域づくりをめざして、皆さまと共に歩んでいきたいと思いますので、引き続きご理解とご協力をお願いいたします。
(十勝岳ジオパーク推進協議会)