文化 江府町立図書館の本棚「こんな本あります!」

監修:江府町立図書館館長 宇田川恵理

こんにちは!江府町立図書館の宇田川です。江府町立図書館の本棚にある、ちょっと気になる「こんな本」を、紹介していきたいと思います!

■『やさしいライオン』やなせたかし(フレーベル館)
『ハルのふえ』やなせたかし(小学館)

朝ドラ「あんぱん」が9月で終了しましたが、今回紹介するのは、主人公のモデルとなったやなせたかしさんの絵本2冊です。
『やさしいライオン』は、ドラマの中でも取り上げられていましたが、やなせさんの絵本デビュー作であり、のちに映画化もされています。親を亡くした赤ん坊のライオンと親代わりとなった犬の、親子の絆を描いた作品です。やわらかいタッチで描かれたライオンと犬の表情や姿から、お互いを思う気持ちが伝わってきて、しみじみと胸に残る1冊です。
もう1冊の『ハルのふえ』も、やはり親子の愛を描いた作品です。森に捨てられていた人間の赤ん坊を拾ったタヌキは、人間の姿に化け赤ん坊を育てます。成長した赤ん坊は、やがて音楽の才能を見いだされ、人間の世界に帰っていきます。息子を思い送り出すタヌキの後ろ姿に、胸がキュッとなりました。
『やさしいライオン』の出版が1975年、『ハルのふえ』が、2009年ということで、絵の雰囲気はやや違いますが、どちらも母と子の愛をテーマにしており、やなせさんの想いが伝わる2冊です。