文化 学ぼう♪歴史文化遺産

■佐賀県産黒曜石(さがけんさんこくようせき)で作られたナイフ形石器(がたせっき)
雲仙市では約3万年前の遺跡が見つかっており、日本列島に人類が登場して間もない頃から、人々の生活が営まれていました。写真は国見町百花台遺跡から見つかった、約3万年前の黒曜石製の石器で「ナイフ形石器」と呼ばれるものです。文字通り「ナイフ」として使ったり、「やり先」として動物を狩る道具としても使用されました。全体の長さは約7cm、刃渡りは5cm。ナイフ形石器としては大型で、県内でも最大級の大きさです。遺跡からは300点を超える「ナイフ形石器」が見つかっており、県内最多、全国でも屈指の発見数です。
黒曜石は噴火活動によって作られますが、普賢岳の噴火では黒曜石はできません。島原半島では、黒曜石以外でも、古代人が石器として利用する石は無く、遠い場所から石器の材料を運んできて作っていました。ナイフ形石器は、科学分析の結果、佐賀県伊万里市の腰岳(こしだけ)という山の黒曜石で作られています。50キロ以上離れた場所の石です。ナイフ形石器以外にも数万点にのぼる石器や石器のかけらが見つかっており、そのすべてが数十キロ以上離れた場所から持ち込まれています。百花台で暮らした古代人たちは、石器作りに大変苦労したと思われますが、それに勝る魅力が百花台にあったのでしょう。

当時は木製や「鹿の角」を加工した「柄」(持ち手)が付いていたと考えられます。
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