文化 いにしえの香り No.10 ~わが町の文化財紹介~

「いにしえの香り」では、市で行っている文化財等調査保存事業などで発見された価値の高い新資料を、隔月で紹介しています。

■明治から大正にかけて活躍した文学者・郷土史家 加藤雄吉(ゆうきち)
日本遺産「串木野麓」にある大堂庵墓地の加藤家墓地跡には、加藤雄吉の墓碑が建っています。この墓碑の文字は森鴎外(もりおうがい)が書いたものと伝えられています。
雄吉は、串木野郷の郷士年寄格(ごうしとしよりかく)(地頭の代わりに政務を司る役目)の家系で、金山経営にも携わっていた加藤家に明治6(1873)年に生まれました。文学を志して上京し、歌人松浦辰男に入門して森鴎外、斎藤緑雨(りょくう)、田山花袋(かたい)、柳田国男、国木田独歩など文化人と交流をもち、多くの和歌を発表しました。諸事情で帰郷後は、文学だけでなく郷土史研究にも力を入れ、現在まで続く「鹿児島史談会」の創立メンバーとしても活躍しました。
雄吉の遺した著作、『串木野史資料(上・下巻)』は、大正時代に串木野村から依頼されたもので、『串木野郷土史』(昭和57年刊)へも引き継がれています。