三重の未来を切り拓(ひら)く人の挑戦を紹介します!
自分たちがかがやけば、地域もかがやく
■新しい働き方で身近なところから地域を変える!
Camping Specialist労働者協同組合/四日市市
発起人 樋口(ひぐち)龍馬(りょうま)さん
四日市で「俺たちのキャンプ場」という野営キャンプ場を運営しています。すべての始まりは、「四日市にはテントを張れる場所がない」「それなら自分たちで作ろに」という友人との何気ない会話がきっかけでした。コロナ禍でキャンプに注目が集まる、少し前のことです。早速土地を探してみると、開発が難しく放置されていた雑木林に辿り着きました。そこは市有地だったので、土地を借りるためにNPO法人を立ち上げ、鎌やのこぎりを片手に雑木林を切り開いていきました。活動に興味を持った新たな仲間も加わり、開墾から2年後にキャンプ場を開設することができました。利用状況も好調で、活動が拡大していく一方、運営に対する考え方の違いなど、メンバー間の温度差が大きくなり、体制の見直しが必要になりました。そんな中、「労働者協同組合法」が、近々法制化されるという話を思い出したんです。「雇う・雇われる」という関係ではなく「同じ志を持つ仲間が共同で出資し、それぞれの意見を反映しながら自分たちで運営する」これこそ私たちに合った働き方だと思い、全国で第1号となる労働者協同組合(以下、労協)として法人格を取得しました。
■こんなことに取り組んでいます!地域の「困った」を「お宝」に
労協は、「出資しないと組合員になれないし、組合員でないと基本的に働けない」という特徴があります。そのため、ボランティアとして活動に参加する方の受け皿としてNPO法人を残し、さらに商品開発・物販を担う株式会社も設立。現在は、計3法人でキャンプ場を運営しています。私たちは「やりたい」と言い出した人が責任をもって進め、周りがそれをサポートするという独自ルールを設けているため、着実にチームの質が上がってきていると感じています。現在は、菰野と桑名にもキャンプ場を運営する労協が立ち上がっていて、そのサポートもしています。また、災害はいつ発生してもおかしくありません。キャンプでの体験や学びを生かして、大人にも子どもにも「生き抜く力」を身に着けてもらいたい。お客様と一緒に成長していける、そんなキャンプ場にしていきたいと思っています。
「労協」という新たな選択肢ができたことで、やりたいことに気軽にチャレンジできるようになり、私自身も現在の市議会議員としての仕事を大切にしながら、地元の仲間とともにチャレンジすることができています。失敗したって良いし、途中で諦めたって良いと思うんです。住み育った町で新しいことにチャレンジして、「地域を変える」ということが仕事になったら面白いと思います。私たちの次の目標は、アウトドアを通じた全国展開。荒廃山林や遊休地を整備して価値を上げていけば、地域の収益増加や新たな雇用の創出にもつながりますし、キャンプ場は、いざという時の地域の防災拠点にもなり得ます。地域の「困った」を「お宝」に変えていけたらと思っています。
■三重で働こう!
「労働者協同組合法」について詳しくは本紙二次元コードをご覧ください。
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